研究課題/領域番号 |
20036034
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森内 敏之 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (60281119)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2009年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2008年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | ポリリシン / 核酸塩基 / 発光性錯体 / 空間制御 / 集積化 / 特異発光 / ポリグルタミン酸 |
研究概要 |
本研究では、生体分子の会合特性を基軸とする相乗系生物有機金属錯体システムの創製を目的とする。本年度は、ポリリシンへのAu(I)塩の導入に基づく相乗系金属錯体システムの開発、および核酸塩基部位を有する発光性白金錯体の合成を行った。 超純水中において、カチオン性の側鎖を有するポリリシンと、アニオン性のAu(I)塩であるK[Au(CN)_2]との錯形成挙動について、各種スペクトルを用いて検討を行った。混合割合を変化させて発光スペクトルの測定を行ったところ、ポリリシン存在下では、Au(I)-Au(I)相互作用に基づく発光が観測された。K[Au(CN)_2]のみでは、そのような発光は観測されなかった。カチオン性の側鎖を有するポリリシンが機能的な土台分子として作用し、静電的相互作用に基づく[Au(CN)_2]^-の集積化が可能となり、Au(I)-Au(I)相互作用に基づく相乗発光が観測されたものと考えられる。 核酸塩基としてウラシルに着目し、5-エチニルウラシル部位あるいは6-エチニルウラシル部位を有するNCNピンサー型配位子U5PおよびU6Pを設計合成した。U6Pの結晶構造において、ウラシル部位での分子間水素結合により二分子ダイマーが形成されていることが明らかとなった。U5Pと[Pt(p-tolyl)_2(Et_2S)]_2を反応させたところ、フラノピリミジン環が形成されたNCNピンサー型白金(II)錯体FN6PPtが収率65%で得られた。FN6PPtの結晶構造解析より、フラノピリミジン環が形成されていることが確認されるとともに、結晶場においてπスタックダイマーを形成していることが判明した。一方、U6Pと[Pt(p-tolyl)_2(Et_2S)]_2との反応では、対応するウラシル部位を有するNCNピンサー型白金(II)錯体U6PPtが87%の収率で得られた。
|