研究課題/領域番号 |
20036037
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高井 和彦 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00144329)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2009年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2008年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | レニウム / マンガン / β-ケトエステル / 炭素-炭素結合切断 / 2-ピラノン / 多置換芳香環 / 1,3-ジカルボニル化合物 / ビシクロ[3.3.1]骨格 / シクロペンテノン / 1, 3-ジカルボニル化合物 |
研究概要 |
金属触媒を2種類以上用いると、単独の触媒ではおこなえない変換反応が進行したり、効率的に多段階の反応がおこなえたりすることがある。触媒量の金属錯体の反応性を検討していたところ、レニウムとマンガンの錯体にユニークな触媒作用があることを見いだし、今年度も、それら触媒を用いるβ-ケトエステルとアルキンからの芳香族化合物の合成を中心に研究を進め、以下の反応を見いだした。 (1) [ReBr(CO)_3(thf)]_2とイソシアニドを触媒に用いると、環状のβ-ケトエステルのケトン基の隣の炭素-炭素単結合に末端アルキンが挿入して環拡大反応が進行する。本挿入反応のあとにフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)を添加したところ、ビシクロ[3.3.1]骨格を有する化合物が穏和な条件下に生成することを見いだした。この反応は、環拡大反応で得られた8員環化合物からのエタノールの脱離を伴う分子内環化反応により進行したと考えている。 (2) レニウム触媒を用いると、環状あるいは非環状の1,3-ジカルボニル化合物の炭素-炭素単結合に末端アルキンが挿入することを見いだしている。直鎖のβ-ケトエステルでは、挿入反応のあとに、TBAFを添加すると、アルコールの脱離を伴う分子内環化反応が促進され、2-ピラノン誘導体が高収率で得られた。2-ピラノンはDiels-Alder反応のジエン成分として有用であり、それを利用して多置換芳香族化合物の位置選択的合成をおこなった。 (3) α位に置換基のないβ-ケトエステルとアルキンにマンガン触媒を加え加熱すると、β-ケトエステルとアルキンが1対2で反応し、[2+2+2]付加環化によるベンゼン誘導体が得られることを見いだしていたが、β-ケトエステルに代えて1,3-ジケトンを用いたところ、類似の環化三量化体に加え、脱アシル化した化合物が得られた。この化合物はSc(OTf)_3と水を添加すると、選択的に合成できることがわかった。
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