研究課題/領域番号 |
20037010
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松永 茂樹 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (50334339)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2009年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2008年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 希土類金属 / 不斉触媒 / 不斉合成 / 協奏機能 / アート錯体 |
研究概要 |
平成20年度の検討において従来型のビナフトールを使用した希土類アート錯体では満足のいく結果を与えなかった反応について、21年度には、その課題克服に向けての検討を行った。ジエノラート生成を鍵とする反応形式の追求においてはアルカリ土類錯体が優れた結果を与えることを見いだした。特にβ,γ不飽和エステルをドナーとするアルドール反応においてバリウム-ビナフトール触媒を活用することで最高99%eeにて生成物を得ることに成功した。詳細なメカニズム解析も行い、その結果、直接的触媒的アルドール反応は非常に速い可逆プロセスであり、アルドール反応に続く異性化プロセスにおいて動的な速度論変換が起こっていることが確認された。これは従来型のアルドール反応とは違う制御機構であり、非常に興味深い成果である。また、別なジエノラート生成を鍵とする反応形式として不飽和γ-ラクタムをドナーとする反応の開発にも取り組んだ。この場合には、当初の想定とは異なり、希土類あるいはアルカリ土類金属錯体では良好な結果を得ることは出来なかった。そこで、より幅広く様々な触媒系について探索を進めた結果、最終的に複核のニッケル触媒をうまく活用することで反応が効果的に進行することを見いだした。特に不飽和γ-ラクタムを用いたニトロオレフィンへのマイケル反応およびイミンへのマンニッヒ型反応において非常に高い立体選択性を実現することができた。特に、マンニッヒ型反応においてはすべての基質において99%eeにて反応が進行することを見いだした。
|