研究課題/領域番号 |
20037017
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小坂田 耕太郎 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (00152455)
|
研究分担者 |
竹内 大介 東京工業大学, 資源化学研究所, 准教授 (90311662)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2009年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2008年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 触媒 / パラジウム / 重合 / エチレン / プロピレン / ユチレン |
研究概要 |
前年度は、ジルコノセンと後期遷移金属を含む複核錯体を触媒とするエチレン重合反応、低重合反応を行い、金属や配位子の種類による反応結果をまとめるとともに、大環状多座配位子を有する鉄(II),コバルト(II)錯体触媒を用いるエチレン、プロピレン重合反応を薪たに見出した。本年度は、後の研究を大きく展開するために各種の環状多座配位子を開発し、後期遷移金属多核錯体を触媒とするエチレン、プロピレンの重合を行った。 2,6-ジアセチルピリジンと各種のジアミンとの縮合反応による大環状四座六座配位子を合成した。二核構造を有する鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)錯体を収率よく得ることができた。ニッケル錯体触媒を有する二核錯体は、X線構造解析によって、金属中心が逆側に配向した安定構造をもつことが確かめられた。用いるエチレンの反応では直鎖状の低重合体が生成し、ポリエチレンは得られない。一方、鉄、コバルト錯体触媒を用いるエチレン重合反応では、結晶性のポリエチレンが生成する。高温GPC測定によって数平均分子量が20000-30000であることがわかった。前年度の錯体触媒を用いた反応では、数平均量3000程度のポリエチレンしか得られなかったことと比較すると、今回の結果はこの方法による分子量を大きく向上させたことになる。一方、GPCによる分散度は10以上あり、特徴ある物性を示すことが期待される炭化水素高分子として期待される。大きい分散度を有する高分子が生成した理由は、重合生長反応における連鎖移動が極めて起こりにくい一方、開始反応が生長反応よりもはるかに遅いためであると理解される。 新しい多座配位子をもつ後期遷移金属二核錯体触媒を用いるエチレン重合反応において、特徴ある分子量分布を有する生成物を得た。
|