研究概要 |
キラルメソポーラスシリカ(CMS)において,些細な合成環境の変化により得られるねじれたロッド状粒子の形態が変化してしまう問題があり合成手法の改善が必要であった.H20年度において,CMSの合成系に塩基性アミノ酸であるL-Arginineを添加することにより,再現よく,質の高いCMSが得られることを見出した.しかしながら,以前として得られるねじれたロッド状粒子は左巻き:右巻き=75:25あるいは25:75の割合にとどまっていた.不斉分野での応用を考えた場合,ねじれの向きを完全に制御されていることが望ましい. H21年度において,CMSの合成系にさらにTEOSの代わりに1,2-bis(triethoxy-silyl)ethylene(BTEE)、界面活性剤としてC_<14>-L-AlaAを用い塩基性アミノ酸であるL-Arginineを添加することにより、粒子のねじれの向きを左巻き:右巻き=0:100の割合とすることに成功した.このようにして調製したものはchiral periodic mesoporous organosilica(CMOS)であり,多彩な応用が考えられる,しかしながら無定形の粒子も多く生成していた. そこでH21年度において,合成手法の改良に取り組むとともに得られキラルシリカの詳細な構造解析を実施した.主にBTEEとTMAPSを加えてからの攪拌時間ならびに熟成温度の最適化を行った.C_<14>-L-AlaA/L-Arginineの系より,質の高い右巻き100%にねじれたロッド状粒子であるCMOSの合成に成功した。
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