研究課題/領域番号 |
20037044
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平尾 俊一 大阪大学, 工学研究科, 教授 (90116088)
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研究分担者 |
雨夜 徹 大阪大学, 工学研究科, 助教 (20397615)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2009年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2008年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 金属ナノ粒子 / π共役系高分子 / ポリアニリン / レドックス / 酸化 / 環境調和 / 高分子担時触媒 / 動的構造制御 / π共役系分子 / デンドリマー / 自己集積化 |
研究概要 |
遷移金属とπ共役系高分子が協奏的に機能すれば、新しい触媒システムの創製が期待できる。このような概念に基づき、レドックス活性なπ共役系高分子であるポリアニリンと金属ナノ粒子のハイブリッドの合成とその機能について研究に取り組んだ。 レドックス活性高分子であるポリ(2-メトキシアニリン-5-スルホン酸)(PMAS)と金ナノ粒子をハイブリッドした触媒を合成した。得られたナノ粒子触媒は、水溶液中で種々のアルコールの酸素酸化反応に有効であった。ここでアルゴン雰囲気下反応を行うと、基質の酸化にともないPMASが還元されることが、紫外可視吸収スペクトルを用いた検討より明らかになった。また、PMASの還元体は酸素雰囲気下で容易に再酸化されることから、本反応系でPMASが金ナノ粒子と分子状酸素の皮応を媒介するメディエーターとして機能していることが明らかになった。ベンズヒドロールの酸化では、少なくとも3回の触媒の再利用が可能であった。反応性の低い1級アルコールの酸化では、塩基の添加が効果的であった。 PMASの高分子主鎖の動的構造制御に取り組んだ。水溶液中における種々の金属塩とPMASの相互作用を紫外可視吸収スペクトルにて検討した。pH8.8のホウ酸緩衝水溶液中、酢酸銅(II)をPMASに加えた時に、伸張コイル構造に由来する吸収が減少し、収縮コイル構造に由来する吸収の増大するという顕著な変化が観測された。酢酸銅(II)をアニリンユニットに対して0.01当量にまで減らしても同様の構造変化が誘起された。また、酢酸銅(II)の添加によって収縮コイル構造をとっているPMASに対して、キレート剤EDTAと還元剤ヒドラジンを添加することで、伸張コイル構造への変化が確認された。さらに、酢酸銅(II)、EDTAおよびヒドラジンの添加を繰り返すことで、複数回の構造スイッチングが示された。
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