研究課題/領域番号 |
20037046
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今中 信人 大阪大学, 工学研究科, 教授 (30192503)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2009年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2008年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 揮発性有機化合物 / 協奏機能触媒 / 完全酸化 / 酸化セリウム / 酸化ジルコニウム / 酸化ビスマス / アセトアルデヒト / 一酸化炭素 / エチレン / トルエン |
研究概要 |
本研究では、工場などから排出される揮発性有機化合物(VOC)の総量削減を目的とし、できるだけ低温でVOCを完全燃焼可能な新しい触媒の開発を目的としている。具体的には、当研究室で固体結晶化学と固体電解質(イオン伝導性固体)の設計指針を触媒調製に組み込んだ全く新しい発想に基づいて開発した、Pt/CeO_2-ZrO_2-Bi_2O_3/γ-Al_2O_3触媒によるトルエン、アセトアルデヒドの浄化活性を評価した。さらに、共存が予想される一酸化炭素の燃焼活性もあわせて評価した。 その結果、これまでに報告されているトルエンやアセトアルデヒドの燃焼触媒では、少なくとも200℃以上の温度が必要であったのに対し、本研究で開発した触媒を用いることにより、トルエンでは120℃、またアセトアルデヒドについても150℃という低温において完全燃焼を実現した。 また、一酸化炭素の燃焼活性についても評価したところ、20℃でCOがすべてCO_2に酸化されることがわかり、COの共存はVOC燃焼に対して全く影響を及ぼさないばかりか、室温におけるCOの完全酸化を実現した。驚くべきことに、水蒸気存在下(0℃の飽和水蒸気下)で反応を行った方が、より低温である-5℃でCOが完全酸化されることもわかった。さらに、この触媒を150時間連続使用しても、水蒸気の有無にかかわらず、触媒活性は全く低下することなく、常に100%のCO完全酸化が持続された。室温以下でCOを完全酸化可能であり、長時間使用し続けても劣化しない高い耐久性を兼ね備えた触媒を実現できたのは本研究が初めてである。 以上のように、固体材料化学の観点から設計された複合酸化物触媒の酸素放出能を、白金触媒の高い酸化活性と融合させることにより、低温でVOCやCOを完全燃焼可能な"協奏機能触媒"が得られた。
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