研究課題/領域番号 |
20037060
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
石井 洋一 中央大学, 理工学部, 教授 (40193263)
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研究分担者 |
武藤 雄一郎 , 理工学部, 助教 (50453676)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2009年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2008年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ルテニウム / ビニリデン錯体 / アルキン錯体 / 求電子転位 / ケトビニリデン錯体 / 酸化 / シクロホスファト / ルテニウム錯体 / 内部アルキン / 転位能 |
研究概要 |
本研究では、不均一系触媒のモデル錯体としてシクロリン酸イオンを補助配位子とする遷移金属錯体に着目し、これまでに(PPN)[Ru(P_3O_9)(MeOH)(dppe)](1)と内部アルキンの反応ではアルキル、アリール基が転位してビニリデン錯体が生成することを見出している。本年度は、この反応をさらに検討し、長鎖内部アルキンを用いると酸化を伴ってケトビニリデン錯体が生成すること、Cp配位子を持つ錯体でも転位が進行することを見出した。まず1と5-デシンのC_2H_4Cl_2溶液に紫外線を照射したところ、プロパルギル位の酸化を伴う転位が進行し、ケトビニリデン錯体(PPN)[Ru(P_3O_9){=C=C(C_4H_9)(COC_3H_7)}(dppe)]を得た。同様の条件下で1と2-ノニンとの反応ではビニリデン錯体とケトビニリデン錯体を2:1の比で得たが、他の内部アルキンとの反応はいずれもビニリデン錯体のみを与えた。次に、内部アルキン-ビニリデン転位の一般性を確認するため、Cp配位子を持つルテニウム錯体の反応を検討した。[CpRuCl(dppe)]とPhC=CArの反応はAgPF_6あるいはNaBPh_4存在下で行っても複雑な混合物を与えたが、NaBAr^F_4存在下では対応するビニリデン錯体[CpRu(=C=C(Ph)Ar)(dppe)][BAr^F_4]が選択的に生成した。同様の反応は鉄錯体上においても進行したが、本反応は鉄錯体上において内部アルキンの炭素置換基の転位によりビニリデンが生成する初めての例である。一連の芳香族置換基の転位能の序列を検討した結果、炭素置換基の転位能の順序はC_6H_4CO_2Et>C_6H_4Cl>C_6H_4Me>C_6H_4OMeであり、本反応が有機化学では非常に珍しい炭素置換基の求電子転位で進行していることが示された。
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