研究課題/領域番号 |
20038004
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
天辰 禎晃 秋田大学, 工学資源学部, 准教授 (90241653)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2009年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2008年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 非経験的分子軌道法 / 高周期元素不飽和結合 / π電子共役系 / 電子励起状態 / 円錐交差 / 分子設計 / ケイ素不飽和結合 / アズレン |
研究概要 |
電子励起されたπ共役分子は、多様な光化学的挙動ゆえ、分光学、光機能性材料工学、光生物学など広範な研究分野から興味がもたれているが、そのπ共役分子の光化学的挙動には合理的に解釈されていないものも多い。本研究課題では、以前は基底状態における結合形態の存在すら疑われていたリンの二重結合を有する分子であるジフェニルジホスフェン(DPP)の電子励起状態の性質を高精度の非経験的分子軌道計算を行い、DPPの類縁化合物であるアゾベンゼン(AZB)の場合との比較検討をした。昨年度はこの両者のフェニル捩じれに関するポテンシャル面が全く異なることを見出したが、本年度はS_1-S_0の緩和経路に関して、二重結合の捩じれは制限された下では、AZBが協奏的反転経路をとるのに対して、DPPでは(CPPの変角運動が非対称的な)反転経路である。また、二重結合の捩じれが制限されていない状況では、AZBがN=Nの直接捩じれによって緩和するのに対して、実在的なDPPではP=Pの捩じれは間接的にしか起きないことが分かった。 さらに、ケイ素不飽和結合を有する分子の電子励起状態の比較検討のため、push-pull型のアルキン類の電子励起状態の計算を行ったところ、溶媒極性に依存して、捩じれ型分子内電荷移動状態(TICT)やジラジカル特性を有するトランス屈曲構造など多様な分子構造を取りうることが分かった。
|