研究課題/領域番号 |
20038017
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 恒夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (30345095)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2008年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 表面・界面物性 / 触媒・化学プロセス / 計算物理 |
研究概要 |
金属、あるいは半導体表面・ナノ粒子に吸着した分子系(以下、表面吸着分子系)や、ヘテロ接合界面(固液界面や異種金属接合など)での電子励起や電荷移動反応は、光触媒、太陽電池、STM化学の中心的プロセスである。本研究では素過程として、表面界面での電気化学的電子移動と電子と界面原子との非断熱結合について理論手法の開発を行い、計算の適用と機構の解明を目標とした。H21年度は、低次元物性における非断熱相互作用の理論的解明として、金属被覆での金属表面における2次元パイエルス転移・表面状態・電荷密度波形成といった分子科学と固体物理の境界領域に対し、第一原理計算に基づく理論解析を行った。また、挑戦的課題として半導体有機分子膜-金属接合の電気伝導特性の第一原理計算を試みた。 低次元物性の典型例として、電荷密度波状態の生成によるパイエルス転移の存在は指摘されているが、現実の表面吸着系での構造転移の観測は最近のことである。従来の電荷密度波の理論は、固体物理の立場から波数空間におけるフェルミベクトルのネスティングで説明されてきたが、これは実在系での転移の一つの機構であり、電子-格子相互作用に対しての強・弱結合、コヒーレンス長等の要因や、表面吸着状態との関係といった原子論あるいは化学結合論的描像は明らかではない。本研究では、ネスティングベクトル計算だけでなく、表面電子状態、表面フォノン計算から、転移のプロモートモードを特定し、分子や錯体系でスタンダードな、実空間におけるヤン・テラー理論でのモデルを導入し、第一原理計算による検証を行った。 理論計算の結果、W表面では強結合パイエルス転移・CDWによる構造安定化が、対称性の低下による静的ヤン・テラー効果として理解でき、バンドギャップの開きもこれで再現できるが、同じく強結合であるIn/Cu表面では構造歪みは動的ヤン・テラー効果であり、Born-Huang項かそれ以上の高次項でないと転移機構が説明できないことを明らかにすることができた。
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