研究課題/領域番号 |
20038040
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
波田 雅彦 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (20228480)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2009年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2008年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 磁気物性 / 相対論 / 計算科学 / 量子化学 / NMR / 相対論的量子化学 / 無限次Douglas-Kroll変換 / 2電子項 / スピン-軌道相互作用 / Dirac-Fock-Coulomb / エネルギー勾配法 / 2成分ハミルトニアン / 分子物性 |
研究概要 |
相対論補正項と電子相関を適切に含めて電子状態計算を実施することは近年の量子化学では日常的になりつつあります。実験との不一致は電子状態理論の誤差ではなく、殆どは化学系のモデル化等によって生じる外的要因に帰すると考えられます。大規模計算はこのモデル化の自由度を高める上で計算精度向上と相補的に必要と云えます。一方、我々が本研究課題において目的とする事は相対論補正を中心とした電子状態理論の精密化です。日常的な化学反応解析などには不要かもしれませんが、精密な実験計画を支援したり、波動関数の精度に敏感な分子物性の計算、超重原子を含む化合物の計算などに具することを目指します。このためには上述の理由から大規模計算に適応する理論であることも必須となります。 本研究課題では1電子系では理論上Dirac方程式と等価な無限次Douglas-Kroll (IODK)変換を用いて、(a)多電子系分子の種々の2電子相対論補正を導出し、(b)計算プログラムを作成し、(c)計算精度を確認し、(d)各種の分子物性の計算を実施し、(d)電子相関との関係を検討します。 具体的な成果は以下の通りです。重原子や超重原子を含む化合物のエネルギーや分子物性の高精度計算を低コストで実現することが可能な多電子系10DK法を提案し、分子構造最適化や磁気的分子物性を含めた計算プログラムを開発した。この方法を利用して核磁気遮蔽定数やNMR化学シフトの計算を実施し、従来の高次相対論的では精度が不十分であった極めて重い原子でも、良好な精度で計算が可能であることを示した。
|