研究課題/領域番号 |
20038050
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
崔 隆基 独立行政法人産業技術総合研究所, 計算科学研究部門, 研究員 (40392633)
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研究分担者 |
土田 英二 独立行政法人産業技術総合研究所, 計算科学研究部門, 研究員 (50357521)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 固体高分子型燃料電池 / 電解質膜 / プロトン伝導 / 電気浸透係数 / ナフィオン / 計算物理 / 燃料電池 |
研究概要 |
固体高分子型燃料電池の構成要素である、電解質膜中でのフロトン伝導機構及ひ水輸送過程の詳を分子シミュレーションによりらかにした。従来用いられてきたプロトン伝導のモデルでは、電気浸透係数のような物理量がうまく説明できなかった。電気浸透係数が大きいと燃料電池の性能が低下するため、この物理量の本質を理解することが燃料電池の性能の向上のため重要である。我々がシミュレーションから得たプロトン伝導メカニズムは従来のモデルと異なり、高分子電解質膜中でのプロトンの拡散計数、水の拡散計数及びプロトンとカップリングした水輸送(電気浸透係数)の含水率依存性をうまく説明することができ、これらの現象の背景にある物理と化学の本質を理解するさいに役に立つと思われる。 また、現在注目されている炭価水素系高子電解質膜の計算を行い、特にこの系で問題となっている低元水率でのプロトン伝導度の低下の原因を明らかにした。我々のシミュレーションの結果、高分子の主鎖に含まれている親水性の官能基が、水の水素結合ネットワークを壊しグロータス機構でプロトンが伝導される可能性を低くさせていることが分かった。また、高分子電解質膜の末端についているスルフォン酸の酸性度の影響をしらべ、プロトン伝導に及ぼす影響が文献などで報告されているよりも大きくないことを確認した。このような一連の分子シミュレーションの結果から新しい高分子電解質膜をテザインするさいに、どのような官能基を選択すれは優れたプロトン伝導特性を得られるのかを提案することができた。
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