研究課題/領域番号 |
20039003
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
石野 宏和 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (90323782)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2009年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2008年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | CPの破れ / Bファクトリー実験 / 小林・益川理論 / 標準模型を超える物理 |
研究概要 |
Bファクトリー実験において、bクォークからdクォークへの遷移における新物理の探索を行うことがこの研究のである。研究代表者は、Bファクトリー実験(Belle実験)において、CPの破れの解析グループの元リーダーの一人として、CPの破れの測定から標準模型を超える物理の探索を行ってきた。アクティビティーとしては主に二つあり、一つはbクォークがsクォークへ遷移するときのCPの破れと、bクォークがuクォークへ遷移するときの分岐比及びCPの破れの測定である。両者は、本研究課題であるbからdクォークへの遷移の解析において、解析方法・物理的意義としての基盤を与える。前者の解析では、BO→KOpiOの解析の推進を行っていて、2010年に論文出版の運びとなった。後者については、B中間子がa1piという粒子に崩壊する過程において、海外の研究者(J.Dalseno, Max-Planck-Institute)と連絡を取り合いながら、進めていた。特に、a1粒子の解析方法についての取り扱いなどについて意見交換を行っていた。また、奈良女子大学准教授宮林謙吉氏を岡山大学にお招きし、Bファクトリー実験の現状と将来についての講演をして頂き、解析グループの現状や今後の指針などについて、意見交換を行った。また、国内・海外の研究者らと協力して、次期Bファクトリー実験(Belle II)で期待される物理についての論文(arXive:1002.5012)の一部の執筆を行った。特に、本研究課題と密接に関連するCPを破る位相φ2測定の部分について重点的に研究を行い、Belle II実験で得られるφ2の測定精度についての評価を行った。結果、その精度は約1度と見積もられた。これは、強い相互作用・電磁相互作用から来る理論的不定性と同レベルで、Belle II実験は小林・益川行列パラメータを究極の精度で求めることができ、なおかつ新物理にも十分感度を持つ実験であることが示せた。
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