研究課題/領域番号 |
20039005
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大野木 哲也 京都大学, 基礎物理学研究所, 准教授 (70211802)
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研究期間 (年度) |
2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 格子QCD / カイラル対称性 / Heavy quark対称性 / K中間子 / B中間子 / フレーバー物理 |
研究概要 |
そこで我々はカイラル対称性とHeavy quark対称性などの基本的対称性に立脚した定式化と系統誤差を制御する新しい理論的手法を用いてフレーバー物理に関する遷移行列の精密決定をめざす研究を行った。 1. 格子間隔a=0.11fm, 163x48の格子上で3フレーバーの動的Overlapフェルミオンのゲージ配位の生成を修了し、準備としてハドロン質量スペクトラムの測定を行った。この配位を用いてK中間子のバグ定数すなわちBKの初期的結果を得つつある。 2. B中間子の崩壊定数、バク定数の精密決定のため、もっとも大きな問題となるものは重いクォークを含む演算子の繰り込み定数である。そこで、重いクォークの有効理論であるHQETを用いてOffshell運動量スキームによる非摂動繰り込みの研究を行った。結果として繰り込み点の運動量が非摂動効果によるダイナミカルスケールが無視できるほど大きく、しかしカットオフ効果が無視できるほど小さいよい領域が狭いため、格子HQET作用の改良が必要であることがわかった。現在Neuberger fermionに触発された新しい改良された格子HQETを提案し、その理論的研究を行っている。 3. 本研究の副産物として核子のシグマ項とくにストレンジクォークの寄与の決定を行った。結果としてストレンジクォークの寄与はこれまでの現象論的解析や格子QCD計算と異なり極めて小さいことを明らかにした。これは暗黒物質の探索に大きな影響を与えると期待される。またQCDの第一原理からのカイラル摂動論の検証を行ない摂動展開の収束がよい領域は450MeVであることを明らかにした。
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