研究課題/領域番号 |
20039006
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
波場 直之 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00293803)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 余剰次元理論 / LHC実験での検証可能性 / 対称性の破れ / ニュートリノ / ゲージ・ヒッグス統一模型 / 電弱相転移 / 超対称性理論 / 境界条件における対称性の破れ / 超重力理論 / 境界条件による超対称性の破れ / インターバルGUT / カスケード質量行列 |
研究概要 |
本研究の目的は、素粒子の標準模型の背後にある新しい物理(new physics)の探求を、主として模型構築の見地から行い、LHC・ILC実験でどの様に観測されるかを解析することである。この目的に向かって研究計画をたてて、研究を行った結果、今年度は主に以下の研究実績が得られた。 (1): 余剰次元理論では、「トップ粒子の湯川相互作用」と「トップ粒子とphysical Higgsのcoupling」のズレが、たとえヒッグス場が1つしか無くても、観測される可能性がある。そのことを、具体的模型を構築して、世界で初めて示した。更に、この模型が予言するLHC・ILC実験での現象論の解析(Higgs生成プロセス等)を行った。 (2): 5次元理論では、(4次元理論ではほぼ不可能である)タイプIシーソー機構の、LHC実験での検証可能性について世界で初めて調査した。具体的には、右巻きニュートリノが5次元バルクに広がり、特定の右巻きニュートリノのバルクMajorana質量項を持つ場合に、3つの荷電レプトンが終状態に特徴的に現れ、LHC実験で観測可能であることを示した。 (3): 余剰次元ゲージ理論の枠組みで、境界条件でゲージ対称性を部分的に破る場合、この条件で重くなったゲージボソンの散乱振幅のエネルギー依存性の解析を世界で初めておこなった。(ここでは、Wilsonライン位相をパフメータにした。)この解析によって、高次元ゲージ理論におけるNGボソンの等価定理に対する理解が深まった。 (4): SO(5)×U(1)ゲージ・ヒッグス統一模型で、反周期境界条件を持つ場が、ダーク・マターの候補になり得ることを示した。ダーク・マターのrelic abundance等の解析を行い、将来的なダーク・マター探索実験で、このシナリオの観側可能性を調査した。 (5): 超対称性のある余剰次元理論において、境界の存在で超対称性が破れる新しい可能性について解析を行った。
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