研究課題/領域番号 |
20039013
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
中平 武 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (30378575)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2008年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ニュートリノ振動実験 / 大強度陽子加速器 |
研究概要 |
大強度陽子加速器を用いたニュートリノ振動実験(T2K実験)で実験感度を向上させてCP対称性の破れの探索を行うために陽子ビーム強度を増強するのに必要なビーム窓の開発研究を行った。 ビーム窓とは真空容器や圧力容器の一部で陽子ビームを通過させる部分で、ビームの通過効率を確保し、かつビーム通過による発熱を最小限にするため、気密性と耐圧性を確保できる範囲でできるだけ薄い膜を使用する。T2K実験では陽子と反応してニュートリノの親粒子を発生させる黒鉛標的は冷却のためヘリウムガス(2気圧)の圧力容器内に設置されているので、圧力容器に陽子ビームを導入する箇所にチタン合金の膜によるビーム窓を使用している。 ビーム強度を増強するには標的の冷却効率の向上が不可欠で、ヘリウムガス圧力を9気圧程度まで上げることになる。それに伴ってビーム膜の耐圧の向上が必要になる。一方でビーム窓の発熱も増大するので、冷却効率の観点からより薄肉にする必要がある。そのため、薄肉のチタン膜を多層化して、層ごとにヘリウムガスの圧力差をつけた新しいビーム窓の開発を行った。 平成21年度には、ビーム窓の冷却の鍵となる、冷媒ガスの圧力・流量制御の試験セットアップの設計と構築をすすめた。この試験セットアップでは、ビーム窓の両面に流れる冷媒ガスの圧力差と流量が最適になるように、プログラマブル・ロジックコントローラを用いて電磁バルブの開閉の制御を行なうことができ、ビーム窓の冷却シナリオの有効性を検証できる。
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