研究課題/領域番号 |
20039014
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
萩原 薫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50189461)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2008年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | T2K / T2KK / ニュートリノ / ニュートリノ振動 / J-PARC / 素粒子物理学 / CP非保存 / ニュートリノ質量 / ニュートリノ混合 |
研究概要 |
T2KK実験での最重要過程、ミューニュートリノから電子ニュートリノへの遷移過程検出の主要なバックグランドとなる、中性カレントによる中性パイメソン生成を評価した。中性パイメソンの2光子崩壊において、2光子が同じ方向に放射される場合と、1方の光子がソフトな場合に、水チェレンコフ検出器では電子のシグナルと区別できない。特に高エネルギーニュートリノを検出する韓国側の検出器でこのバックグランドが深刻であることが分かった。このバックグランドの解析と同時に、酸素原子核内の核子のフェルミ運動の効果、デルタ共鳴生成の効果等も評価した研究成果を論文として投稿し、専門誌JHEPに掲載された。 T2KK実験の東海村と神岡、東海村と韓国、其々の基線に沿った物質分布を、最新の地球物理学的観測データをもとに評価し、その結果をニュートリノ振動確率計算に取り入れた。物質密度の不定性によってT2KK実験の物理的成果がどれだけ制限されるかを評価し、また、局所的に物質密度が均一であるとの近似のもとで振動確率を厳密に計算するプログラムを開発し、フーリエモードによる解析の収束性を評価した。更に、ニュートリノビームによる実験だけでなく、反ニュートリノビームによる実験をも併用することで、物質密度分布の不定性による制限を大幅に緩和できることを明らかにした。これらの知見をまとめた投稿論文を現在準備中である。
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