研究課題
特定領域研究
光-分子強結合場を用いたタンパク質の非線形光励起を行い、光誘起結晶化を検討した。タンパク質の光誘起結晶化実験を同時二光子吸収、金ナノコロイドおよび金ナノ構造を用いた非線形励起により試みた。実験は、タンパク質が一光子で電子励起されない波長のを用いて行った。タンパク質としてニワトリ卵白リゾチームを用い以下の検討を行った。1. 532nmパルスレーザー光を集光した同時二光子吸収による光化学反応の確認532nmパルス光を4mJ/pulse以上で溶液中に集光するとタンパク質ダイマーが生成した。このときタンパクの活が低し、光学反応が起きた。タンパク質の過飽和溶液にレーザー光を集光したところ、光誘起結晶化が確認された。2. 金ナノコロイド粒子を用いた非線形励起の検討15nmおよび40nm金ナノコロイド粒子を用い、非線形励起による光反応の検討を行った。532nmレーザーパルス光照射により酵素活性が低下した。このときレーザー光は集光せずに反応は進んだ。しかし、光結晶化は確認出来なかった。3. 金ナノ構造を用いた非線形励起と光誘起結晶化実験北大三澤教授との共同研究により一辺100nm, 間隔300nmの金ナノ構造を用意した。この構造の上にタンパク溶液を滴下し、キセノンランプ光の可視光を照射した。その結果、タンパク溶液の酵素活性は低下した。また、金チノ構造の周囲に重合したタンパク質が付着していることをAFMにより観察し、タンパク質の光化学反応が起きたことを確認した。最後に、光誘起結晶化実験を行った。その結果タンパク質結晶の出現頻度が高くなる結果を得た。
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