研究課題/領域番号 |
20043030
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
鍋谷 悠 首都大学東京, 大学院・都市環境科学研究科, 特任助教 (50457826)
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研究分担者 |
矢野 一久 株式会社豊田中央研究所, 矢野研究グループ, リーダ(研究職) (00394651)
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研究期間 (年度) |
2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2008年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ナノポーラス球 / メソポーラス材料 / アゾベンゼン / 局在プラズモン / 有機 / 無機ハイブリッド |
研究概要 |
本研究では、単分散ナノポーラスシリカ球とアゾベンゼン誘導体を複合化し、さらに球表面に局在プラズモンを誘起できる金ナノ構造を形成させた光反応場の構築を目的とした。研究実施計画に従い、複合体作製に必要な細孔径が6nmと3nmの2種類のナノポーラスシリカ球の合成し、また多フッ素化アルキルアゾベンゼン誘導体を合成した。作製したホストおよびゲスト材料を溶液中で複合化させ、光応答するハイブリッドシリカ球の作製に成功した。複合化の手法として、ナノポーラスシリカ球合成時に用いる界面活性剤分子を焼成により除去した後に複合化させる方法や酸抽出を利用する方法などを検討し、鋳型分子とアゾベンゼン誘導体のイオン交換による複合化を行うことで分子の共同的反応の誘起が期待出来る細孔内へ最密にアゾベンゼン誘導体を導入された構造を作製できることを熱重量析により明らかにした。また、複合体を反応場として利用する場合に極めて重要な細孔内の極性環境を推定した結果、2種類の異なる極性環境が存在することを明らかにした。一方、作製したハイブリッドシリカ球表面に数種の方法で金ナノ構造を作製した。金ナノ粒子を球表面へ化学吸着させる方法や球表面で還元析出させる方法、イオンスパッタリングなどを検討し、イオンスパッタリングによる方法が最も均一にかつ局在プラズモンによる電場増強が期待できる金の微細構造を作製っできることを明らかにした。 本研究成果は、特定領域研究「光-分子強結合反応場」の目指す局在プラズモンによる多光子反応を実現する反応場構築として重要であり、これまでの光化学反応の研究で目指してきた高効率, 高選択的な光反応を実現する新しい化学反応場として大いに期待出来き、21世紀の光科学技術を支える基盤的研究としてもその意義は大きい。
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