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オフセンター位置にあるゲスト原子のラマン散乱による微視的解明

研究課題

研究課題/領域番号 20045013
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関広島大学

研究代表者

宇田川 眞行  広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (70144889)

研究期間 (年度) 2008 – 2009
研究課題ステータス 完了 (2008年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2008年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワードラマン散乱 / ゲスト原子 / 非中心位置 / ラットリング運動 / 量子トンネル状態 / I型クラスレート化合物 / Ba_8Ga_<16>Sn_<30> / 格子熱伝導率
研究概要

本研究はI型クラスレートにおける非中心位置におけるゲスト原子の微視的運動状態を解明することである。本年度は従来研究してきたR_8Ga_<16>Ge_<30>(R=Sr, Eu)に加えて, カゴの大きさを制御した混晶系Sr_8Ga_<16>Si_<30-x>Ge_xを取り上げた。その結果, Ge置換してカゴの大きさを大きくすると中心からのズレは増大し, 格子熱伝導率と明瞭な相関が有ることを実証した。これにより, 1995年にSlackによって提唱されたラットリング運動が非中心位置でのゲスト原子の回転運動であることを初めて明らかにした。この結果は毎日新聞, 中国新聞, 科学新聞に掲載された。また, Eu_8Ga_<16>Ge_<30>より大きなカゴを持つBa_8Ga_<16>Sn_<30>のラマン散乱を行い, これまでのGe結晶の場合に比べてゲスト原子の振動数が大きく低下し, 回転半径の大きな非中心ラットリング運動を行うことを明らかにした。以上より, I型クラスレートにおいては非中心位置におけるラットリング運動が普遍的な現象であり, 格子の熱伝導抑制にこのラットリング運動が重要であることも確立した。また, Ba_8Ga_<16>Sn_<30>ではR_8Ga_<16>Ge_<30>に比べてゲスト原子の振動が大きな非調和性を持つことも明らかにした。
上の結果とは別に, 高温での回転ラットリング運動が, 低温で量子トンネル状態に移行するかどうかを明らかにするために, 低温でのゲスト原子の運動状態をラマン散乱で測定した。分解能が不十分ではあるが, 量子トンネル状態に特有と考えられるスペクトルピークの分裂が観測され, 低温で量子トンネル状態にあることが結論できた。

報告書

(1件)
  • 2008 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Off-Center Rattling and Anisotropic Expansion of Type-I Clathrates Studied by Raman Scattering2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Takasu,T. Hasegawa, N. Ogita, M. Udagawa, 他3名
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 100

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Anomalous phonon properties in the silicide superconductors CaAlSi and SrA1Si2008

    • 著者名/発表者名
      S. Kuroiwa, T. Hasegawa, M. Udagawa, 他3名
    • 雑誌名

      Physical Review B 78

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ゲスト原子の動的性質 : ラットリングモードとは?2008

    • 著者名/発表者名
      宇田川眞行
    • 学会等名
      日本物理学会2008年秋季大会シンポジウム「高い対称性の誘起する揺らぎと秩序」
    • 発表場所
      岩手大学上田キャンパス
    • 年月日
      2008-09-20
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書

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公開日: 2008-04-01   更新日: 2018-03-28  

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