研究課題/領域番号 |
20045015
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
佐藤 英行 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (80106608)
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研究分担者 |
青木 勇二 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (20231772)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2009年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2008年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 配列ナノ空間 / 充填スクッテルダイト / 重い電子 / 高圧合成 / 純良単結晶育成 / 強相関電子系 / ラトリング / 充填スクッテルダイド / ナノ空間 / 試料育成 / 充填率 / 結晶場 |
研究概要 |
◆ Ce系充填スクッテルダイトに共通する問題として、試料作製法により電気的特性が大きく異なり、その起源としてCe充填率が挙げられている。我々は、CeFe_4As_<12>単結晶を、Sb系で高充填率化が証明されている高圧フラックス法により育成し、電気、磁気、熱特性の評価を行った結果、高圧下育成試料の間でも、電気抵抗・ホール係数の温度依存性は大きく異なった。詳細なLaue写真と電気抵抗の温度依存性の対比、LaFe_4As_<12>系との比較を行った結果、As系では充填率よりも結晶性の良否が電気的特性に決定的影響を持ち、基底状態は非金属的であることを明らかにした。 ◆ 重希土類充填スクッテルダイト合成するには高圧合成が不可欠である。我々は高圧下フラックス法により、GdFe_4As_<12>、YbFe_4P_<12>の単結晶育成に初めて成功した。前者は、56Kに強磁性的な転移を示す。比熱測定において、より低温(~12K)に低エネルギーの励起を示唆する明確な肩構造を見出した。YbFe_4P_<12>は多結晶の測定で、Ybの中間原子価状態、電気抵抗極小など興味深い報告されており、育成された純良単結晶を用いて検証を行っている。 ◆ 同時に、他の4f電子系配列ナノ空間物質として、RT_2Al_<20>(R:希土類、T:遷移金属)の、特にPr、Yb系に重点を置いて結晶合成を行い、残留抵抗比が、Yb系は20以上、PrNb_2Al_<20>は~6.5と、この物質系としては良質な単結晶の育成に成功した。YbT_2Al_<20>(R:Ti、V、Cr)では、帯磁率が小さく、c-f混成が大きいことを確かめた。PrNb_2Al_<20>ではPr^<3+>としては抑制された帯磁率、近藤効果的な抵抗の舞いが、観測され、興味深い物質系であることが分かり、より広範な物性測定、更なる試料の純良化・大型化を進めている。
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