研究課題/領域番号 |
20052007
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小林 麻己人 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50254941)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2009年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2008年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 転写制御 / 血球分化 / 遺伝学 / エピジェネティック / ゼブラフィッシュ |
研究概要 |
本研究の目的は、多分化能をもつ未分化細胞が、どのように特定の細胞系列になる運命を獲得するかを明らかにすることである。題材として選んだのは、情報が豊富な赤血球分化であり、着目したのは、分化の実行部隊を指揮する「マスター型転写因子」Gata1の発現制御である。以前の研究により、血球前駆細胞におけるGata1遺伝子の発現が減弱する突然変異ゼブラフィッシュ系統を単離することと、その責任遺伝子がヒストン脱メチル化酵素Lsd1であることを同定することに成功した。初年度の成果により、Gata1は、その発現量に応じて、分化進行と細胞運命決定の二つの役割を使い分けることと、その制御にLsd1が働くことが示唆された。 本年度は、Lsd1の赤血球分化における作用点を明快にすることと、作用機序を明らかにすることを目的に研究を行った。その結果、次の2点が明らかになった。 1 作用点そのものは明快にできなかったが、各種Gata1-GFPレポーターフィッシュとの交配解析などにより、当初の予想と異なり、Gata1の発現制御には直接作用していない可能性が強くなった。赤血球-骨髄球前駆細胞の形成に障害がでているのではとの仮説を立てた。 2 作用機序に関しては、ドメイン解析の結果、意外なことに、赤血球分化にはLsd1のヒストン脱メチル化活性が必要ない可能性が浮かび上がった。Lsd1にはタンパク質脱メチル化活性以外の重要な機能があると予想された。残念ながら、その実体を同定することはまだできていない。
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