研究課題/領域番号 |
20052020
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中井 彰 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60252516)
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研究分担者 |
藤本 充章 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80359900)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2009年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 転写 / クロマチン / 熱ショック / 炎症 / ストレス / 発熱 / 発生 |
研究概要 |
哺乳動物細胞には少なくとも3つの熱ショック転写因子HSFが存在し、そのうちHSF1が熱ショック応答を制御している。申請者らは、これまでにHSF1を介する免疫・炎症反応と熱ショック応答との恊調的制御を明らかにしてきた。特に、HSF1が発熱反応に重要な炎症性サイトカインIL-6の発現制御を行らこと見いだしてきたが、その生物学的意義は十分に明らかにされていない。本研究によって、発熱反応がHSF1の活性化によって炎症反応の抑制に働くこと、そしてその分子機構の全体像を明らかにしたので報告する。 マウス胎児線維芽細胞を用いたDNAマイクロアレイ解析から、LPS刺激により誘導を受ける100遺伝子を同定し、そのうち約86%の遺伝子の発現誘導が温熱処理により抑制された。そのうち顕著に温熱処理で抑制される24遺伝子に絞って詳細な解析を進めた。その中で、IL-6以外にも16遺伝子(67%)が誘導の抑制にHSF1のターゲットである転写因子Activating transcription factor3(ATF3)を必要とし、それ以外の8遺伝子(33%)はATF3非依存性であった。ATF3非依存性遺伝子の中には、すでにHSF1によって直接抑制をうけるTNFαやIL-1が存在していた。HSF1欠損マウスとATF3欠損マウスにLPS投与を行うと発熱反応が増強された。さらに、IL-6欠損マウスにLPS投与を行うと、発熱反応を欠くとともに、HSF1のATF3プロモーターへの結合は減弱し、ATF3の核移行とIL-6プロモーターへの結合も減弱した。以上の結果から、HSF1が炎症性サイトカイン群の発現を抑制すること、その抑制機構には上流配列に直接結合するだけでなく、ATF3を介していることが分かった。これらの結果は、発熱反応が炎症反応のネガティブフィードバック制御に重要な役割を担っていることを示唆している。
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