研究課題/領域番号 |
20052022
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
石原 宏 熊本大学, 大学院・先導機構, 特定事業教員 (90398230)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2009年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2008年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | クロマチンインスレーター / HOX遺伝子 / CTCF / 発生・分化 / クロマチン / インスレーター / ヒストン修飾 / CHD8 |
研究概要 |
HOX遺伝子は、個体の発生、細胞の分化を制御する重要な遺伝子であり、その遺伝子発現パターンが発現時期と発現場所が遺伝子群の並び順と一致するように厳密に制御されている。本研究はHOXA遺伝子領域におけるクロマチンインスレーターの同定と解析により、この遺伝子領域のクロマチン構造・転写制御を理解することを目的とする。ヒトEC細胞であるNT2細胞をレチノイン酸で処理することにより3'側のHOX遺伝子群(HOXA1~HOXA5)で発現誘導が起こる。この発現誘導におけるクロマチンインスレーターによる制御の解析を行った。HOXA遺伝子領域には6つのインスレーター(HA1-6)が存在する。NT2細胞をレチノイン酸処理し、クロマチン免疫沈降法を施行し、CTCFの結合状態の変化を調べた結果、HA1からHA5は変化が無かったが、HA6においてCTCFの結合の低下が観察された。さらにクロマチン間の相互作用を解析する3C解析を行った結果、HA6領域はHA2領域と比較的高いクロマチン相互作用が確認され、レチノイン酸処理によりその相互作用が減少することが分かった。この結果はインスレーター間の相互作用により形成された高次クロマチン構造が、レチノイン酸処理によりCTCFがHA6から外れることでクロマチン構造が大きく変化することで3'側のHOX遺伝子群(HOXA1~HOXA5)の発現誘導を調節する機構が存在することを示唆する。レチノイン酸によるHOX遺伝子群の発現誘導が個体の形態形成・器官形成に重要な役割を果たすことが知られており、本研究は個体の発生、細胞の分化における遺伝子発現調節機構を考える上で重要な役割を持つと考えられる。
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