研究課題/領域番号 |
20053010
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
青山 卓史 京都大学, 化学研究所, 教授 (80202498)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2009年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2008年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 根毛 / ホスホイノシチド / ホスファチジン酸 / 細胞形態形成 / ホスホリパーゼD / PIPキナーゼ / ABA / 水分屈性 |
研究概要 |
PIP5K3は、シロイヌナズナにおいてホスファチジルイノシトール-4,5-ニリン酸を生成する酵素であるホスファチジルイノシトール4リン酸5キナーゼ(PIP5K)をコードする遺伝子の一つである。これまでの研究の結果、PIP5K3は根毛の伸長を正に制御することが判明している。今回、根における転写レベルでの発現が確認されたPIP5K2およびPIP5K4についても根毛伸長への関わりが解析された。まず、それらの遺伝子のプロモーター活性をGUSレポーター遺伝子により組織化学的に調べた結果、PIP5K4のプロモーターはPIP5K3のプロモーターと同様に根毛細胞列に選択的な活性が見られた。また、PIP5K2のプロモーターは根の表皮細胞で一様な弱い活性を示した。つぎにそれぞれのT-DNA挿入変異体を用い、根毛伸長についての遺伝学的な解析を行った。その結果、pip5k2、pip5k4ともに野生型株に比べて有意に根毛が短い表現型を示した。さらに、pip5k2pip5k3およびpip5k3pip5k4二重変異体ではpip5k3よりも激しい根毛伸長の抑制が見られた。このことはPIP5K2、PIP5K3およびPIP5K4が根毛伸長において重複的な機能を有することを示している。 PLDζ2は、シロイヌナズナにおいてホスファチジン酸を生成する酵素であるボスホリパーゼD(PLD)をコードする遺伝子の一つであり、リン酸欠乏およびオーキシン処理によって転写レベルで発現の促進を受ける。PLDζ2の新たな生物学的機能を調べるために、PLDζ2プロモーターの詳しい組織化学的解析を行なった。その結果、通常生育条件下での根における主な発現組織は側方根冠細胞であること、その発現は乾燥処理、およびABAの添加により上昇することが明らかとなった。つぎに根冠における遺伝子機能の解析を行なった結果、変異体では重力屈性に対するABAの抑制効果が失われること、および根の水分屈性応答が遅延することが明らかになった。これらのことから、根端における乾燥ストレスがABAを介して根冠におけるPLDζ2の発現を上昇させ、その遺伝子機能として、重力屈性応答を抑制するとともに水分屈性応答を促進することが示唆された。
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