研究課題
特定領域研究
低分子量G蛋白質Rabのアイソフォームはヒトでは60種類以上存在し、Rasスーパーファミリーの中で最大のサブファミリーを形成しているが、詳細な機能解析が進んでいる分子はごくわずかである。線虫Rab遺伝子は哺乳類Rabの約半数であり、相同遺伝子の重複が少なくシンプルな遺伝子構成をしているため解析が行ないやすいと考えられる。本研究課題ではRab分子の体系的な機能解明に向けて、TMP/UV法により線虫の全Rab遺伝子のノックアウト変異体株を樹立した。これらの変異体株について、個体の生存、稔性、発生、運動・行動、薬剤感受性などの表現型を観察し、Rab表現型のデータベース化を進めた。さらにトランスジェニックマーカーを用いて、各変異体バックグラウンドにおけるエンドサイトーシス経路、エキソサイトーシス経路、およびオルガネラの形態を解析した。これらの解析から各Rabメンバーについて普遍的な細胞機能と特殊化した細胞機能を担うタイプへの遺伝学的な分類が可能となった。また、エンドサイトーシス経路においてRabエフェクター分子であるRabenosyn-5を介したRab-5とSec1/Munc18分子との機能的連関を明らかにし、制御因子群を含めた解析に研究対象を発展させた。現在、カルシウムイメージングによって変異体の神経機能を解析・評価する生体アッセイ系の構築を進めている。
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