研究課題/領域番号 |
20054022
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
深田 正紀 生理学研究所, 細胞器官研究系, 教授 (00335027)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2009年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2008年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 脂質修飾 / パルミトイル化 / 酵素 / G蛋白質 / 生化学 / GFPイメージング / 細胞生物学 / 翻訳後修飾 / 全反射顕微鏡 |
研究概要 |
GTP結合蛋白質の多くはパルミトイル化脂質修飾を受けることにより、特定の膜マイクロドメインに局在し分子スイッチとして機能する。例えば三量体G蛋白質Gαや低分子量G蛋白質H-Rasなどがパルミトイル化修飾を受ける。しかし、パルミトイル化酵素が不明であったためパルミトイル化修飾によるG蛋白質の動態制御機構に関しては不明であった。昨年度までに、私どもは23種類のパルミトイル化酵素の中から、Gαをパルミトイル化する酵素としてDHHC3/7を同定した。今年度は1)DHHC3/7によるG蛋白質動態制御機構の解明、および2)パルミトイル化酵素ファミリーの多様な活性制御機構の解明を目指した。今年度の研究実績は以下のとおりである。 GFP融合型Gαqを用いたFRAP/FLIP法、および光変換蛍光蛋白質Dendra2との融合型Gαqを用いたphotoconversion法を用いて細胞内Gαqの動態を解析した。その結果、細胞膜に存在するパルミトイル化Gαqは脱パルミトイル化を受けた後速やかにDHHC3/7が存在するゴルジ装置に移行し、DHHC3/7により再パルミトイル化され再び細胞膜に輸送されることを見出した(堤らMol. Cell. Biol. 2009)。また、神経細胞のような極性化した細胞においては、細胞体のゴルジ装置においてDHHC3がGαqやPSD-95など多くの基質を恒常的にパルミトイル化するが、樹状突起上のポストシナプスにおいては別のサブファミリーに属するDHHC2が、神経活動感受的にPSD-95をパルミトイル化することが分かった(則竹らJ. Cell BioL. 2009)。これらの成果は世界的にも高く評価され、総説(深田らNature Rev. Neuroscience, 2010)にまとめられた。このように今年度の研究計画は達成できたと考えている。
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