研究課題/領域番号 |
20057013
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 (2009) 大阪大学 (2008) |
研究代表者 |
本田 賢也 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60334231)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
2009年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2008年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | Th17細胞 / 粘膜免疫 / 制御性T細胞 / 腸内細菌 / サイトカイン |
研究概要 |
腸管局所の免疫系は、腸内細菌叢という細胞外環境と宿主細胞との相互作用によって制御されている。腸内細菌の情報は、粘膜局所に存在する樹状細胞に一時集約され、そこから制御された形でT細胞やB細胞の活性化につながる。消化管にはinterleukin (IL)-17産生性のT細胞(Th17細胞)と制御性T細胞(regulatory T細胞、Treg)が多数存在していることから、活性型樹状細胞と抑制型樹状細胞が存在し、それぞれ特異的にTh17細胞・Treg細胞の分化を促進していると考えられている。またそれぞれの樹状細胞を特異的に活性化する腸内細菌も存在していると考えられている。このモデルを検証すべく、本研究においては、ある特定の細菌のみを定着させたノトバイオートマウスを多種類作成し、免疫系に強く影響を与える腸内細菌をスクリーニングした。それにより、小腸においてTh17細胞数を劇的に増加させる細菌としてセグメント細菌(segmented filamentous bacteria)を同定した。さらにセグメント細菌を定着させたマウスは、病原性細菌感染に対して抵抗性を持つことも見いだした。すなわち、セグメント細菌に誘導されたTh17細胞は、粘膜のバリア機能を保つ役割を持つと考えられた。これらを論文として報告した(Cell 139,485-98,2009)。一方Treg細胞分化にも焦点を当て研究を進めた。特にIL10遺伝子領域にVenus蛍光タンパクをノックインしたレポーターマウスを作成し、更に無菌化した。それにより、Treg細胞の中でもIL10を産生する細胞は、消化管粘膜においてのみ存在しており、特に大腸においては、その誘導が消化管常在菌によって促進されていることを見いだした。さらにノトバイオート作成により、強力にTreg細胞分化誘導能を持つ細菌の同定に成功した(論文投稿中)。
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