研究概要 |
セマフォリンファミリーは従来神経ガイダンス因子として同定されてきた分子群であるが近年、器官形成、血管新生、脈管形成、癌の進行、免疫応答などへの関与も報告され、生体の組織構築及び細胞の運命を決定する代表的な細胞外因子の一つと考えられている。我々はこれまでセマフォリン分子群の免疫系、神経系及び心臓初期発生における役割を明らかにしてきた。本研究ではリンパ組織及び骨組織を中心に生体の恒常性維持におけるセマフォリンの役割を明らかにするとともに、セマフォリンの発現がどのように制御され、骨及び免疫系の細胞外環境で機能しているのかを細胞レベル及び組織・個体レベルで明らかにすることを目的としている。平成21年度の本研究では、平成20年度作成・準備したセマフォリン関連欠損マウス、FARP2欠損マウス,Sema6D欠損マウス,Sema6C欠損マウスの免疫応答及び骨形態異常の有無を検討した。その中で、GEFであるFARP2が破骨細胞分化時に必須のPodosome形成において重要な役割を果たしていること見いだした。特に破骨細胞分化時の時間的空間的制御において、FARP2がRac及びインテグリンの活性化において必須の役割を果たしていることがイメージング解析などにより明らかに成っている。
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