研究課題/領域番号 |
20057036
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
宮田 敏行 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病因部, 部長 (90183970)
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研究分担者 |
小亀 浩市 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室長 (40270730)
武田 壮一 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室長 (80332279)
秋山 正志 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (30298179)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2009年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2008年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 血小板血栓 / ADAMTS13 / プロラアーゼ / 立体構造解析 / 血栓性血小板減少性紫斑病 / 組み換え体 / 血小板凝集 / 結晶解析 / プロテアーゼ |
研究概要 |
ADAMTS13は、血漿中のvon Willebrand因子(VWF)を高ずり応力下で切断することでVWFマルチマーの分子量を調節し、血小板血栓形成を制御している。ADAMTS13活性の欠失は細小血管における血小板血栓形成を引き起こすため、血栓性血小板減少性紫斑病の原因となる。我々はADAMTS13のディスインテグリン様(D)ドメイン、TSP1(T)ドメイン、Cys-rich(C)ドメイン、スペーサー(S)ドメインから構成される領域ADAMTS13-DTCS(Arg287-Ala685)の立体構造をX線結晶構造解析法により決定した。DTCS組み換え体はCHO-Lec細胞の分泌発現系を用いて調製し結晶を作製した。次いで、SPring-8においてX線回折強度データを取得し、立体構造を決定した。その結果、(1)Dドメインはディスインテグリン様の立体構造ではなく、アミノ酸配列の相同性が低いCドメインと同一の立体構造を形成していること、(2)Tドメインの立体構造はthrombospondin type-1 repeatとよく一致すること、(3)Sドメインは10本のβストランドからなる2層のアンチパラレルなβシートからなる構造単位であることが明らかになった。決定した立体構造を基にしてアミノ酸変異を導入し、変異ADAMTSI3-MDTCS(Ala75-Ala685)組換え体の活性をFRETS-VWF73を用いて測定した。その結果、D、C、S各ドメイン上に、空間的に隔たりながらも直線状に並んだ、少なくとも3か所のエキソサイトの存在を同定した。以上より、ADAMTS13は、DTCS領域に存在する複数のエキソサイトで、ずり応力等でほどけたVWFを広範囲で認識するし、VWFへの特異的な親和性を高めていると考えられた。
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