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蛋白質凝集形成に対する細胞の秩序維持機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20059036
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

田中 元雅  独立行政法人理化学研究所, 田中研究ユニット, ユニットリーダー (40321781)

研究期間 (年度) 2008 – 2009
研究課題ステータス 完了 (2009年度)
配分額 *注記
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2009年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2008年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
キーワードアミロイド / プリオン病 / ミスフォールディング / プリオン
研究概要

本研究では、プリオン病の病態解明のためのモデル生物として優れている出芽酵母を使い、酵母プリオン[PSI+]の系を用いることで、酵母プリオン蛋白質Sup35断片(SupNM)の凝集体の性質とプリオン株の表現型の相関関係を明らかにすることを目的とした。
温度によってSup35NMの会合状態が大きく異なることが分かった。37℃ではSup35NMは単量体(モノマー)であるのに対し、4℃ではX線の散乱強度が増大し、Sup35NMが会合してオリゴマーを形成していることを明らかにした。また、Sup35NMのオリゴマー形成は温度変化に対して可逆的であることが分かった。
さらに、10~37℃でオリゴマーを経由せずに生成したSup35NMアミロイドは感染性の低いプリオン株を導くのに対して、4~9℃でオリゴマーを経て生成したSup35NMアミロイドは、感染性の高いプリオン株を導くことを見いだした。
オリゴマー形成にかかわるアミノ酸を特定するためにSup35NM変異体を作製し、X線小角散乱で検討した。低温下で生成するSup35NMアミロイドのコア領域は、Sup35NMタンパク質におけるプリオンドメイン(1~123番目のアミノ酸)の最初の35個のアミノ酸であることが知られているが、X線散乱強度の測定から、アミロイド生成途中のオリゴマー形成では、最初の約100個のアミノ酸が関与していることを明らかにした。
次に、その100個のアミノ酸の中で、どのアミノ酸が最初にオリゴマー形成を誘導するかを、Sup35NMタンパク質のいくつかのアミノ酸を蛍光分子であるピレンで修飾し、そのエキシマー蛍光の強度から検討した。その結果、Sup35NMタンパク質におけるプリオンドメインの89~108番目のアミノ酸領域が最初に会合することによってオリゴマー形成が開始することが明らかになった。

報告書

(2件)
  • 2009 実績報告書
  • 2008 実績報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2010 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) 図書 (1件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Differences in prion strain conformations result from non-native interactions in a nucleus2010

    • 著者名/発表者名
      大橋祐美子
    • 雑誌名

      Nature Chem.Biol. 6

      ページ: 225-230

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] オリゴマーの非天然相互作用が感染性の高いプリオン凝集体を誘導する2010

    • 著者名/発表者名
      大橋祐美子
    • 雑誌名

      実験医学 (In Press)

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [雑誌論文] 神経変性疾患におけるアミロイドの構造多型とその生理的影響2009

    • 著者名/発表者名
      田中元雅
    • 雑誌名

      実験医学 27

      ページ: 1340-1344

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] 核形成時における非天然相互作用がプリオン株におけるコンフォメーションの差異を決定する2009

    • 著者名/発表者名
      田中元雅
    • 学会等名
      第82回 日本生化学 大会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2009-10-22
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] Molecular basis of yeast prion strains2009

    • 著者名/発表者名
      田中元雅
    • 学会等名
      FASEB summer research conference
    • 発表場所
      Snowmass, Colorado, USA
    • 年月日
      2009-06-30
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] 酵母プリオンSup35を異なる凝集体へと導く二種の経路の解明2009

    • 著者名/発表者名
      大橋祐美子
    • 学会等名
      第9回 日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      熊本市
    • 年月日
      2009-05-20
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] Molecular basis of strain phenotype in yeast prion2008

    • 著者名/発表者名
      Motomasa Tanaka
    • 学会等名
      BMB2008
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2008-12-08
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] 酵母プリオンを用いたプリオン株出現の分子機構解明2008

    • 著者名/発表者名
      田中元雅
    • 学会等名
      第8回日本蛋白質科学会
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      2008-06-11
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] Molecular basis of yeast prion [PSI^+] strains2008

    • 著者名/発表者名
      Motomasa Tanaka
    • 学会等名
      Cold Spring Harbor Meeting on "Molecular" Chaperones & Stress Responses
    • 発表場所
      コールドスプリングハーバー
    • 年月日
      2008-05-01
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [図書] Methods in Enzymology- Guide to yeast genetics-2010

    • 著者名/発表者名
      Motomasa Tanaka
    • 出版者
      Elsevier(In press)
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://www.brain.riken.jp/jp/m_tanaka.html

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2010/100118/index.html

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://www.riken.jp/r-world/research/lab/nokagaku/cause/senior/tanaka/index.html

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書

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公開日: 2008-04-01   更新日: 2018-03-28  

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