研究課題/領域番号 |
20059038
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小瀬 真吾 独立行政法人理化学研究所, 今本細胞核機能研究室, 専任研究員 (90333278)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2009年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2008年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 核内移行 / 分子シャペロン / importin / 熱ショック / Importin |
研究概要 |
Importinβファミリー運搬体分子が創りだす核-細胞質問分子流通システムは、機能分子を時空間的に制御し、遺伝子機能発現の根幹をなす制御機構である。本研究は、細胞の機能変化や維持における核-細胞質間分子流通システムの役割を明らかにすることが目的である。本年度は、分子シャペロンHsc70/Hsp70をモデル分子として、熱ショック時における核タンパク質輸送機構の変化と機能解析を行った。 熱ショック時には、正常時と異なり、Importin βファミリー分子依存的輸送経路の効率が低下することが知られている。しかし、分子シャペロンHsc70/Hsp70などは、熱ショックに応答して、速やかに核内に移行する。このHsc70/Hsp70の核内移行の分子機構の詳細は不明であった。セミインタクト細胞と熱ショック処理後の細胞からの抽出液を用いて、熱ショック応答性核内移行の解析系を独自に構築した。この系を利用し、細胞抽出液を生化学的に分離精製することで、Hsc70核内移行に必須な分子の同定に成功した。この分子は、進化的に高度に保存されており、熱ショックに応答して発現量が上昇することが判った。この分子は、ATP依存的にHsc70/Hsp70と特異的に結合し、さらに重要なことに、運搬体分子が共通にもつ核膜孔通過活性を有していた。これらの活性は、この分子が熱ショック時のHsc70/Hsp70の核内移行を担う新規運搬体分子であることを示している。 ストレス応答時には、転写、翻訳など様々な生命活動に防御機構が働き、細胞はその恒常性を維持する。核-細胞質問分子流通においても、正常時とは異なる輸送経路が活性化し、その分子基盤が本研究によって初めて明らかとなった。本研究の成果は、分子シャペロンによる転写制御など、まだ十分には解析されていない核内における分子機能解析にも重要な視点を与えるものと予想される。
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