研究課題/領域番号 |
20059039
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
小亀 浩市 独立行政法人国立循環器病研究センター, 脈管生理部, 室長 (40270730)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2009年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
|
キーワード | ストレス / 蛋白質 / 動物 |
研究概要 |
小胞体は、膜タンパク質や分泌タンパク質の合成および成熟の場であると同時に、その過程で生じた異常タンパク質を積極的に分解する機能(ERAD)を備えている。本研究では、ERADに関与する小胞体膜タンパク質複合体(ERAD複合体)を空間的・時間的に解析することにより、小胞体の秩序維持システムの詳細に迫ることを目的とした。特に、小胞体ストレスタンパク質HerpとDerlin-1~3に着目して解析を進めた。前年度に、ERAD複合体は複数種存在し、それらが小胞体ストレスによって変化することを見出し、さらに、Derlin-3欠損マウスは正常に誕生するが、Derlin-1およびDerlin-2欠損マウスは胎性致死となることを明らかにした。そこで今年度は、それらが致死となる胚発生時期の特定を試みた。Derlin-1あるいはDerlin-2のヘテロ欠損マウス同士を交配させ、妊娠マウスから摘出した胚を解析したところ、Derlin-1のホモ欠損マウスは胎齢8.5日まで成長することができず、それ以前に発生が止まって致死となることがわかった。一方、Derlin-2のホモ欠損マウスでは、胎齢8.5日の時点で胚の痕跡さえ見られず、胎齢6.5-7.5日にはすでに致死となっていることがわかった。つまり、マウスの胚発生において、Derlin-2が最も早い時期に必須であり、続いてDerlin-1が重要であること、そしてDerlin-3は必須でないことが明らかになった。本研究の成果により、ERADが胚発生においてどのような役割を果たしているのか、あるいはERAD関連タンパク質がERAD以外の細胞機能にも寄与しているのではないか、といった新たな課題が浮き彫りになった。
|