研究課題/領域番号 |
20060004
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
徳久 剛史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20134364)
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研究分担者 |
坂本 明美 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (90359597)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
2009年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2008年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | Bリンパ球 / 自己抗体 / 胚中心 / IL-21 / アポトーシス / 体細胞突然変異 / サイトカイン |
研究概要 |
胚中心B細胞おける抗体遺伝子の体細胞突然変異により、新たに自己反応性B細胞が出現する。しかし、この自己反応性B細胞に対する免疫寛容誘導機序の分子レベルでの詳細は未だ不明である。そこで本研究は、胚中心で自己反応性B細胞がアポトーシスにより排除される機序を、濾胞ヘルパーT(Tfh)細胞や濾胞樹状細胞(FDC)などから放出されるIL-21と、その刺激により胚中心B細胞に誘導されるBCL6の機能を中心として分子レベルで明らかにする。平成21年度はIL-21R-KOマウスを用いた高親和性IgGB細胞の分化メカニズムの解析を行い、以下のようなことを明らかにした。 1.IL-21R-KOマウスをNP-OVAで免疫して経時的に抗体価を測定したところ、IgG1抗NP抗体価が正常マウスの1/10に低下しており、NP抗原に対する親和性も著しく低下していた。 2.しかし、このIL-21R-KOマウスの脾臓における胚中心の形成は正常マウスと変わらなかった。 3.さらに、このIL-21R-KOマウスの脾臓から胚中心B細胞を分離してNP特異的なV186.2遺伝子における体細胞突然変異を解析したところ、変異の頻度は正常B細胞と同程度にみられていたが、高親和性を示す変異の比率が著しく低かった。 以上の結果からTfh細胞やFDCなどから放出されるIL-21は、胚中心B細胞の分化段階における抗体V領域遺伝子の体細胞突然変異により誘導される自己反応性B細胞や低親和性B細胞にアポトーシスを誘導していることが示唆された。 上記の研究成果は、ワクチン療法の開発へ向けた新しい研究の展開に道を拓くものである。
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