研究課題/領域番号 |
20061007
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邊 雄一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60183125)
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研究期間 (年度) |
2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2008年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ウイルス / ゲノム / RNA / ストレス / 発現制御 |
研究概要 |
HYL1を欠損した変異体植物ではmiRNAの蓄積が減少し、葉が細く、その縁が上向きにカールするといった特徴的な表現型を示す。hyl1-2種子をEMS変異原処理し、約38,000個のM2芽生えから表現型が野生型様に復帰した22個体をスクリーニングした。そのうち1個体について解析を進めたところ、hyl1抑圧変異の原因は優性であることがわかった。さらにマップベースクローニング法によって原因遺伝子は1番染色体の上腕端440kb以内に存在することを見出した。この領域にはHYL1に結合してmiRNAの生成を担うDCL1が存在することから、DCL1コード領域周辺のゲノム配列を確認した結果、DCL1遺伝子の1183番目のグアニンがアデニンに置換していた。この変異を持つDCL1遺伝子をhyl1変異体に形質転換すると表現型が野生型様に復帰したことから、hyl1サプレッサーの原因であることが証明された。この新規dcl1-13変異はDCUのRNAヘリカーゼドメインにおける395番目のグルタミン酸からリシンへとアミノ酸置換(E395K)を引き起こすと思われる。得られたhyl1サプレッサ-はいずれもこの変異を有していた。DCL1のヘリカーゼドメインはこれまで機能がほとんど未知であったが、本研究からその重要性が示唆された。さらに興味深いことに本研究により、全生物のDicerタンパク質において初めて優性の変異体が得られた。 このようにあらためてDCl1分子とHYL1分子が相互作用していることが示され、さらにDCL1内のドメインの機能分担にも知見が得られた。今後さらにHYLの周辺の新規因子について解析を加える。
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