研究課題/領域番号 |
20061012
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木下 俊則 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (50271101)
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研究期間 (年度) |
2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2008年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 気孔 / 青色光 / フォトトロピン / プロトンポンプ / リン酸化 / シグナル伝達 |
研究概要 |
フォトトロピンは、N末端側に発色団を結合する2つのLOVドメイン、C末端側にセリン/スレオニンキナーゼドメインを有する植物特有の青色光受容体である。これまでの研究により、フォトトロピンは、光屈性、葉緑体光定位運動、気孔開口と葉の横伸展を制御することが明らかとなっているが、これら諸反応の分子機構については不明の部分が多い。そこで本研究では、葉の横伸展が起こらず下向きにカールしたロゼット葉を持ち、青色光による気孔開口が起こらないフォトトロピン2重変異体(phot1 phot2)に対してEMS処理した植物体より、野生株と同様に葉が横伸展し、気孔が顕著に開口する突然変異体のスクリーニングを行い、その原因遺伝子を明らかにすることによって、フォトトロピンに制御される葉の横伸展と気孔開口の分子機構の解明を進めてきた。 本スクリーニングにより単離したdb10-2変異体について解析を進めた結果、早咲きの表現型を示すdb10-2変異体の原因遺伝子はELF3(Early Flowering 3)であること、また、この変異体では孔辺細胞の細胞膜H+-ATPaseの発現量はphot1 phot2二重変異体と同様なものの、常にC末端がリン酸化され、活性化状態にあるため、気孔が顕著に開口していることが明らかとなった。さらに、この変異体では、花芽形成においてELF3の下流因子として機能することが知られているフロリゲンFTが孔辺細胞を含め植物体全体で顕著に高まっていることがわかり、FTが、葉の横伸展や気孔開口においても新奇の機能を有していることが示唆された。今後は、FT形質転換植物を作製し、葉の横伸展や気孔開口における機能を明確したい。
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