研究課題/領域番号 |
20200060
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研究種目 |
新学術領域研究(研究課題提案型)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物分子生物・生理学
植物病理学
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
中平 洋一 京都府立大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特任講師 (40423868)
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研究分担者 |
湯川 泰 名古屋大学, システム自然科学研究科, 講師 (70381902)
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連携研究者 |
椎名 隆 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10206039)
吉岡 博文 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (30240245)
杉浦 昌弘 名古屋大学, 特別教授 (80027044)
戸澤 譲 愛媛大学, 教授 (90363267)
朽津 和之 東京理科大学, 理工学部・応用生物科学科, 教授 (50211884)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
31,980千円 (直接経費: 24,600千円、間接経費: 7,380千円)
2010年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2009年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2008年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
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キーワード | 葉緑体 / Ca^<2+> / 過敏感細胞死 / 植物・病原体相互作用 / PR-1 / CAS / サリチル酸 / プラスチドシグナル |
研究概要 |
葉緑体は、植物の感染防御応答で重要な役割を果たしている可能性が指摘されていたが、その分子機構についてはほとんどわかっていなかった。本研究では、この未解明の領域の研究に取り組み、その全体像を描き出すことに成功した。(1)まず、細胞外の病原体に由来するPAMPシグナルが葉緑体へ伝達される機構を解明した。PAMPシグナルが、まず細胞質Ca^<2+>濃度の速い一過的上昇を引き起こし、引き続きそのシグナルが葉緑体に伝達され、葉緑体Ca^<2+>シグナルを生じる。葉緑体Ca^<2+>シグナルの発生には、葉緑体チラコイド膜タンパク質であるCASが関与しており、チラコイド膜からのCa^<2+>放出が関係している可能性が示唆される。(2)さらにCASは、PAMPが誘導する基本免疫応答のPTIおよび病原体エフェクター分子を特異的に認識することで発動するETIの両者に必要な因子であることがわかった。PTIはサリチル酸(SA)依存経路を介して制御されており、CASがSA誘導に必須の因子であることを明らかにした。(3)植物の防御応答遺伝子群の発現には葉緑体に由来する色素体シグナルが必要であることを解明した。また、その実体として、一重項酸素シグナルが原いている可能性を示した。また、CASが一重項酸素シグナリングに関与している可能性も示唆された 今後、今回発見した葉緑体依存の感染防御応答機構の分子機構を詳細に研究していくことで、新しい植物防御システムの開発につながる可能性がある。
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