研究課題/領域番号 |
20330073
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 下関市立大学 |
研究代表者 |
櫻木 晋一 下関市立大学, 経済学部, 教授 (00259681)
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研究分担者 |
加藤 慶一郎 流通科学大学, 商学部, 教授 (60267862)
島田 竜登 西南学院大学, 経済学部, 准教授 (80435106)
藤田 晴啓 東洋大学, 国際地域学部, 教授 (40366513)
西本 右子 神奈川大学, 理学部, 准教授 (70241114)
道盛 誠一 下関市立大学, 経済学部, 教授 (60200052)
大内 俊二 下関市立大学, 経済学部, 教授 (00213629)
佐々木 実 下関市立大学, 経済学部, 准教授 (00235277)
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連携研究者 |
三宅 俊彦 専修大学, 兼任講師 (90424324)
阿部 百里子 昭和女子大学, 国際文化研究所 (50445615)
石神 裕之 慶応義塾大学, 文学部, 准教授 (10458929)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
19,240千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 4,440千円)
2011年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2010年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2009年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2008年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 寛永通寳 / 貨幣考古学 / 出土銭貨 / 海域アジア / 金属組成 / データベース / 復元実験 / 共時性 / 広域流通圏 |
研究概要 |
17世紀という近世前期に対象時期を絞った研究を実施した。福岡県黒崎鋳銭場遺跡の発見とその調査研究により、17世紀初頭には寛永通寳へつながる近世銭貨生産の技術や体制が出来上がっていたことを明らかにできた。ベトナム、沿海州・サハリン、インドネシアなどの出土寛永通寳を調査・データ化したことによって、これらの地域では相当数の日本貨幣が存在・流通していたことを確認できた。一連の調査結果から見えてくる東アジア規模での銭貨動態は、15世紀後半に中国からの銭貨流入が鈍ったため、ベトナムでは自国の銭貨が発行され流通する。それに伴って私鋳銭も横行し、貨幣経済の浸透とともに通貨使用が混乱し、15世紀末以降はベトナムでも撰銭がおこなわれ、中国や日本での撰銭現象と共時性をもっていたと考えられる。16世紀になると日本での出土例から、わずかながらベトナム銭貨の流入を確認できる。それが17世紀になると、逆方向に日本から中国・ベトナムへと銭貨が移動することが、東南アジアにおける寛永通寳・長崎貿易銭の出土例から明らかとなった。また、サハリンでは、相当数の銭貨が装飾品など経済外的な目的で使用されたことを確認できた。文献史学の成果としては、黒崎鋳銭場の関連史料を発見したこと、小倉藩初期の鋳銭の実態を細川家文書などから究明したこと、山田羽書の生産管理体制を明らかにできた。また、海外の研究諸機関に所蔵されている日本貨幣の調査を実施し、データベースを作成した。大英博物館所蔵貨幣カタログを英国で出版し、研究成果を国際学会で報告したことにより、英語圏の人々に対して日本貨幣史の研究実態を知らしめることができた。金属学的技術では、初期の寛永通寳はヒ素銅が使用されており、これは日本の近世初期の銭貨生産に特徴的なことであることを明らかにできた。
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