研究課題/領域番号 |
20330105
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安立 清史 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (40192968)
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研究分担者 |
小川 全夫 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (40041016)
黒木 邦弘 熊本学園大学, 社会福祉学, 准教授 (60369832)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2010年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2009年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2008年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 介護保険 / 介護職 / 離職・転職 / アノミー / 非営利法人 / ステークホルダー / 離職 / 生活相談員 / グループホーム / インドネシア看護師・介護福祉士 / 介護老人福祉施設 / 介護職のバーンナウト / 介護労働力 / 福祉NPO / 社会福祉法人 / 福岡県老人福祉施設協議会 |
研究概要 |
「介護保険改定の社会学的影響評価:ステークホルダー間の相克と協働」の研究成果に関して、以下の5点が明らかになった。第1に、多様なステークホルダー、とくに介護保険事業者間の実態を明らかにした。営利法人と非営利法人との組織上の違いや、介護保険に対する意識など、様々な共通点や相違点が明らかになった。第2に、介護保険の現場での生活相談員や介護職等の離職の実態を明らかにした。全国規模での訪問介護系事業所へのアンケート調査による介護職員の離職の実態や、福岡県老人福祉施設協議会と共同で行っている施設の介護職等へのアンケート調査から、介護職の離職の実態とその原因が明らかになりつつある。第3に、介護の国際化に関する実態と問題が明らかになりつつある。EPAによるインドネシア看護師・介護福祉士候補者への聞き取りやアンケート調査から、介護の国際化に関する問題や課題を明らかにしてきた。第4に、施設の介護現場における様々な問題や課題が明らかになった。福岡県の介護老人福祉施設への訪問聞き取り調査や、福岡県老人福祉施設協議会主催の介護職研修におけるアンケート調査を通じて、介護職の新たなキャリアアップ制度や研修制度の再構築、そして職場での助けあいやサポートの必要性が明らかになってきた。そして施設経営や運営に関する課題も明らかになりつつある。第5に、介護保険制度の維持・持続可能性(サステイナビリティ)に関する知見が得られた。多様な介護保険事業者への介護保険制度評価アンケート調査の結果から、介護現場では先行き不安やアノミーが生まれつつあり、このままでは介護保険事業者の組織としての質の低下や、介護職の質的低下が懸念される状況であることが明らかになった。現状のままでは介護の国際化にも対応できず、介護職の離職問題は当面落ち着いているものの中長期的には人手不足の傾向が続き、介護保険制度そのものが日本固有の「ガラパゴス化」状況に陥っているのではないだろうか。
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