配分額 *注記 |
19,500千円 (直接経費: 15,000千円、間接経費: 4,500千円)
2011年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2010年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2009年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2008年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
|
研究概要 |
本研究は, MEMS技術で作成される微小カロリメータを電子顕微鏡(SEM)やエネルギー分散型X線分析装置(EDXS)と複合化し,微小試料に対する超高速,高感度熱・質量分析を行う格段に分析能力の優れた複合ナノ熱分析システムの開発を目的としている. このため,カンチレバー型微小カロリメータの共振を利用した極微量質量計測技術, SEMと微小カロリメータを組み合せたナノ熱分析の複合化,微小試料を取り扱うサンプルマニピュレーション技術研究を実施した。 結果として, 260~ 800ミクロン長さの微小なカンチレバー型のカロリメータをMEMS技術で製作し,マイクログラム~ナノグラム試料を金属,無機試料を対象とした熱分析,質量分析に関し以下の成果を得た。 微量質量計測技術に関しては,振動を光学的に検出し共振振動数を計測する方法に加え,歪ゲージを内蔵したカンチレバー型カロリメータを開発し,計測システムの簡素化を実現し,室温から800℃にわたる広い温度範囲でマイクログラム以下の微小試料に対して熱・質量計測が可能なことが示された。 SEMにカンチレバー型カロリメータを内蔵した複合分析器では,低加速電圧式の卓上SEM内に質量計測機能を伴う微小カロリメータを導入し,微小な形状変化を観察しながら吸発熱が計測できる可視化熱分析を示すことができた。また,試料の組成をEDXSで調べる複合計測が可能なことが分かった。 微小な試料をマニピュレートする方法としては,ニードル型プローブ表面の水分量を熱的に制御することで,付着力を1~ 10マイクロニュートンレベルで変化できることが示され,微小試料の付着型マニピュレーションに期待がもてることが示された。
|