研究課題/領域番号 |
20360377
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物機能・バイオプロセス
|
研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
上岡 龍一 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (70099076)
|
研究分担者 |
松本 陽子 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (00133562)
松下 琢 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (10209538)
後藤 浩一 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (30279377)
市原 英明 崇城大学, 生物生命学部, 助教 (70369114)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2010年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2009年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2008年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
|
キーワード | 癌 / シグナル伝達 / トランスレーショナルリサーチ / 脂質 / 細胞・組織 / リポソーム(複合脂質膜) / がん化学療法 / アポトーシス / 制がん効果 / 膜融合 |
研究概要 |
研究代表者らが創製したハイブリッドリポソーム(HL)は、有機溶媒を用いることなく、緩衝溶液中でベシクル分子(リン脂質)とミセル分子を超音波照射するだけで調製できるナノ粒子であり、「素材や組成比の選択によって膜直径や相転移温度、流動性といった物性を制御できる」特徴がある。本研究では、HLのがん治療に関する以下の興味深い知見が得られた。 (A)電子顕微鏡観察および動的光散乱法により、リン脂質(DMPC)とPEG系界面活性剤(C12(EO)n:n=21~25)からなるHLの膜直径は、調製直後から1ヶ月以上、約80nmの膜直径を維持することが明らかになった。 (B)in vitroにおいて,薬物を含有させずに種々のがん細胞に対する顕著な増殖抑制効果が明らかになった。 (C)HLは、がん細胞へ特異的に融合・蓄積し、ミトコンドリアへシグナルが伝達され、カスパーゼを活性化し、最終的に核内におけるDNAを断片化するという、アポトーシス誘導経路が明らかになった。 (D)HLの膜流動性とがん増殖抑制効果の間に良好な相関関係が観測され、HLの流動性が高いほど制がん効果が大きいことを初めて明らかにした。 (E)in vivoでは、種々の担がんモデルマウスを用いた治療実験において、顕著な延命効果が得られた。 (F)生命倫理委員会の承認後、悪性リンパ腫の患者に対する臨床試験において、高い安全性及び固形リンパ腫瘍の顕著な縮小効果が得られた。 HLは、がん細胞膜をターゲットとする新しいがん化学療法の可能性が高い。
|