配分額 *注記 |
19,630千円 (直接経費: 15,100千円、間接経費: 4,530千円)
2010年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2009年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2008年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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研究概要 |
本研究では,麻疹ウイルスの上皮細胞感染に関与する宿主因子、ならびにインフルエンザウイルスが上皮で効率良く増殖するための宿主因子を明らかにすることを目的とした。 麻疹ウイルスは、伝染力が最も強いウイルスのひとつであるが、これまで免疫系細胞に選択的に感染すると考えられてきた。しかし,最近のわれわれの研究から、麻疹ウイルスが、免疫系細胞に加えてtight junctionを形成する上皮細胞(極性上皮細胞)にも感染する能力を持つことが明らかになった。極性上皮細胞を間葉様の細胞へ変換する転写抑制因子Snailを発現させると、極性上皮細胞の麻疹ウイルスに対する感受性が消失した。マイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析により、Snailによって転写レベルが低下する宿主因子が約30種特定できた。 インフルエンザウイルスの増殖には、インフルエンザウイルスのHAタンパク質を開裂するプロテアーゼが必要である。最近の研究から膜タンパク型セリンプロテアーゼであるTMPRSS2は、HAタンパクを開裂することが示された。極性上皮細胞には、TMPRSS2が発現していることを明らかにした。さらにSnailの発現によって、TMPRSS2の発現が低下することを明らかにした。
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