配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2010年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2009年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2008年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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研究概要 |
本研究事業では,歯周病原性細菌およびその病原因子(組織傷害性酵素,外毒素,内毒素),宿主組織内で産生される炎症性メディエーターおよびサイトカインの検出系の開発を進めてきた.まず,これまで開発してきたセンサチップを用いてヒトサンプルを測定し,そこで得られた成績の再現性および定量性を検証したところ,生体材料では.数マイクログラムのオーダーまで検出可能であることが明らかとなった.しかしながら,歯周病の病態を把握するためには,感度を向上させていかなければ実用化することは難しいと判断した.そこで,連携研究者である北九州市立大学・国際環境工学部・磯田隆聡准教授と意見交換を行い,センサチップの基板材料として金を用いることで感度の向上が図れないものかということを提案し,工学的な視点から様々な改良を試みた.さらに,歯周病細菌の検出系では,我々の研究グループが作成したモノクローナル抗体の性状を網羅的に解析し,抗体価および特異性の高いクローンを見出し,2種類の異なるエピトープを認識する抗体の組み合わせで,歯周病細菌を100cells/mlのオーダーで検出することができるようになった. 今回の礒田准教授が開発した抗原抗体反応を利用したバイオセンサチップを用いることで,複数の歯周病細菌の検出が可能となったものの,生体材料から炎症性サイトカインを検出するという当初の目的に関しては,生体内の塩が静電誘導を基本原理とするセンサチップの感度向上の妨げとなることが判明した.そこで,最終年度は,静電誘導を基本原理とする測定方法に加えて,電気化学的あるいは蛍光法による測定機器の開発が必要であると判断し,他の工学系の研究者とともに,より再現性および感度の高い測定が可能性を探った. 一方,ナノテクノロジーの技術活用し,歯周医学の視点に立った研究を進め,微小流路をマイクロチップ上に構築し,顕微鏡観察下で微細な流れを観察する実験系の構築に成功した.この実験系を活用し,歯周病と心筋梗塞の因果関係をin vitroの実験系で検討し,いくつかの興味ある実験結果を得ることができた.
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