研究課題/領域番号 |
20401037
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 東亜大学 |
研究代表者 |
黄 暁芬 東亜大学, 人間科学部, 教授 (20330722)
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研究分担者 |
宇野 隆夫 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (70115799)
吉井 秀夫 京都大学, 文学部, 准教授 (90252410)
河野 一隆 九州国立博物館, 学芸部, 資料室長 (10416555)
上原 雅文 東亜大学, 人間科学部, 教授 (30330723)
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連携研究者 |
米田 穣 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30280712)
河野 一隆 九州国立博物館, 学芸部, 資料室長 (10416555)
諫早 直人 奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (80599423)
宮原 晋吾 京都市考古研究所, 主任研究員
臼井 正 大阪産業大学, 非常勤講師
張 在明 陝西省考古研究院, 研究員
塔 拉 内蒙古自治区博物院, 院長
魏 堅 中国人民大学, 国学院・北方文化研究所, 教授
王 曉〓 中国人民大学, 国学院・北方文化研究所, 副教授
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研究期間 (年度) |
2008 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2011年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2010年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2009年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2008年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 漢魏の都市計画 / 中央都城と地方郡県城址 / 都城・陵墓の方位と景観秦直道の探求 / 古代道路の比較研究 / 北方長城と城塞 / GPS・GIS解析人骨DNA分析と年代測定 / チベット吐蕃王墓 / 戦国・秦漢時代 / 内蒙古辺境の城塞と長城 / 中央帝都と北方郡県城市 / GPS・GIS解析 / 北方位重視の都市空間 / ロマン・ロードと秦直道 / 作道工法 / 東西古道の比較 / 都市と陵墓 / 中央宮都と郡県城址 / 方位と景観 / 秦直道の探求 / 東西文化交流 / 人骨DNA分析と年代測定 / 都城と陵墓 / 秦直道 / 漢魏の郡県城址 / 人骨DNA分析・年代測定 / 漢魏時代とローマ帝国 / チベット・吐蕃王墓 / 都城(市)・墳墓の方位と景観 / 郡県城址と秦直道 / 北魏・盛楽城と金陵 / 版築土と舗装道路 / 北方遊牧民・長城 / 漢魏とローマ / 秦の始皇帝 / 匈奴・北方騎馬民族 / 舖装道路 / 都市と墳墓 / 北方位重視 / GPS調査・GIS解析 |
研究概要 |
本研究は4年間にわたり、対象調査地のフィールドを通して考古学、歴史学、地理情報システムや年代測定法などの学際的研究を展開していた。主な成果は下記3点にまとめられる。 1.漢魏帝都と郡県城址の構造プランとその象徴性 1)帝都建設における理念空間の完成:漢帝都長安の建設プランは、南山子午谷口から嵯峨郷五方基壇まで南北軸線全長75kmに及ぶ。それが渭水を中心として都城・陵墓との生・死空間が南北正方位に対置し、天と地・自然山川と記念的建造物の対象性をベースにおき、漢帝国支配の正統と神聖を表象したシンボルであり、東アジア古代都城の成立にも多大な影響を与えていた。 2)郡県城址の調査と復元:華北、内蒙古における戦国・秦漢期の郡県城址が計26ヵ所を調査、測量した。GPS・GIS解析によって各遺跡の方位と構造プランを解明し、中央帝都建設に対して地方郡県都市の特色を初めて把握した。一辺500~600四方の城郭都市がほとんどで、北方位を重視するが、真北からの偏角は1度~7度あり、帝都建設ほどの精度がない。その偏角の大小は、中央勢力との関係緊密度に影響されるように見て取れる。城外には正方位重視の墳墓が造営されたことも判明し、帝都長安の都市計画を模倣したものと考える。 3)北方国境線遺跡の探求:内蒙古の陰山南麓一帯の調査では、城塞、長城、烽火台の併存が発見した。一辺40-50四方の城塞は城門1つ、石積みの城壁が幅3-5、頑丈な防御施設で、それに長城と烽火台は近接に築かれ、戦国秦漢期の北方軍事施設として完備されたことが判明した。 2.秦直道の調査と研究 1)秦直道の真相究明:紀元前212年建造された秦帝国の南北幹線道路-秦直道は歴史上、深い謎に包まれ、長い間不明なままであった。近年、秦直道の発掘調査や日中連携調査によって、秦直道の真相がようやく解き明かされてきている。山岳高地の作道、版築土の舗装道路の道幅は平均30m、道の沿線に壮観な皇室の行宮や防御に備えた関所、駅舎施設が付設された。それは高度な土木技術と巨大な権力組織によって創り出された「帝国の道」である。 2)古代ローマ道との比較:ローマ道は礫石や砂石の作道が主で、道幅4の石畳みの舗装道が特徴的である。帝国領域間の軍事、交通運輸道として発達し、商用道路の兼用を含む実用性の優れた古代ハイウェーである。 3.チベット吐蕃王墓の調査と実測 チベットの吐蕃王国を象徴する巨大墳墓の4大分布地点で実地調査とGPS測量を行った。その結果、時期の異なる巨大方墳・円墳を特徴とした吐蕃王室・貴族大墓の構造配置と分布を総合的に把握し、吐蕃大墓の立地方位と景観の特色などの検証が初めて実施した。
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