研究課題
基盤研究(C)
DUF2228 familyは線虫からヒトまでの真核生物(酵母やカビを除く)に分布し、よく保存された配列を持つタンパク質で、機能が未知のprotein familyである。昆虫や線虫の一部では保存された配列以外にアミノ酸配列N端側にCYR motif (C2H2 zinc finger motif)を持っている。CYR motifは初めDNA修復酵素のPALF(APLF)で我々が同定したモチーフで、アミノ酸配列N 端あるいはC端に単独であるCYR motifはDNA damageによって活性化されたPARP1によって作られるpoly(ADP-ribose)鎖(PAR)に結合する性質を持っている。我々は、このfamilyメンバーのうちアミノ酸配列N端側にCYR motifをもつショウジョウバエのCG1218-PAとCYR motifを欠いたタイプのヒトのC4orf27(APNX)をクローニングしその機能を解析した。その結果、1)GFP-CG1218-PAはPAR依存性に核内のDNA損傷部位に集積するがヒトGFP-APNXはPAR非依存性に損傷に集積する。2)APNXはヒト細胞内でPARP1とヘテロダイマーを形成し、PARP1依存的に損傷に集積する。3)CG1218-PAおよびAPNXは脱塩基部位(APサイト)の5' 側に3'-OHのニックを入れるAP-endo/exonuclease活性をもつ酵素であること。などが明らかになった。さらにAPNXのノックダウンでヒト細胞がアルキル化剤MMSに感受性になることからこのタンパク質は塩基除去修復やDNA単鎖切断修復に関わる新規のDNA修復酵素であることが明らかになった。
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