研究課題
基盤研究(C)
明治・大正期に大衆に向けられた啓蒙的言説は現代にも引き継がれている。この研究では、その中でも父権制資本主義社会に特徴的な性差をめぐる言説を中心に取り上げ、これらが3つのレベルで機能していたことを明らかにした。第一は、男女の生物学的な性差について、進化論の影響を強く受けて男女の優劣を説くレベル。第二は、これを踏まえて社会の中での性役割を固定するレベル。第三は、女性不信パラダイムと呼んでもいいような、女性の心の理解の仕方のレベルである。文学が主にテーマ化したのは言うまでもなく第三のレベルである。このように、文学は社会構造全体と密接に関連していると言える。
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国文学・言語と文芸 第127号