研究課題/領域番号 |
20520195
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 吉備国際大学 |
研究代表者 |
井上 理恵 吉備国際大学, 社会学部, 教授 (80278986)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2010年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2009年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2008年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 川上音二郎 / 川上貞奴 / アメリカ巡演興行 / パリ万国博覧会 / 有島武郎の「或る女」上演 / 金色夜叉上演 / 現代演劇 / 商業演劇 / 川上音二郎一座 / アメリカ巡業 / ボストン公演 / 芸者と武士 / ヴェニスの商人 |
研究概要 |
明治近代社会に登場した新演劇、それは明治の現代劇であった。が、そのように理解されていないのが歴史上の現実である。 本研究は、その現代劇の解明と歴史上への位置づけの再検討のためのものである。当該演劇の資料調査・収集が本研究の目的である。したがって資料の調査・収集が終了した段階で本研究は終了する。 これまで調査してきたように、特に川上音二郎の新演劇運動は他者の追随を許さぬ斬新なものであった。しかし海外・国内における上演や行動に関してその評価は低く、さらには偽りの記述がこれまで多かったのである。 川上とその集団の上演脚本・批評の収集につとめ、真の姿を明らかにすることで明治近代社会に登場した新演劇とは、明治の現代劇とは、どのようなものであったのかを明らかにする。 今年度は、昨年のアメリカ大陸横断という初めての研究成果を踏まえて、とくにニューヨークに焦点を絞り、公立図書館で調査を実施、かなりな成果を上げることができた。特にルイ・フェローとの関係をアメリカ側の資料で知ることができた。 フランスでは、パリで調査を実施した。国立図書館の状況が変わり、調査に手惑い時間がかかったが、ここでも予定した成果を上げることができた。ルイ・フェローに関しても収集することができた。 国内調査においても、これまでの調査で、大阪・福岡・東京における資料がほぼ、収集できた。そのため、以後はこれまでの資料から一つの仮説を証明する段階に入る。 論文を執筆し、それを本にして上梓することになるだろう。二年はかかるとみている。 これまでの調査で、わたくしが立てている仮設、演劇が誕生すると共に社会の文化の中に組み込まれ、そして形骸化する、という仮説がどうやらほぼ、証明できるという手ごたえを得た。一つの例は、川上の「金色夜叉」上演であり、後に登場した有島武郎の「或る女」上演形態をみて、大いなるヒントを得たのである。 明治近代社会における調査・資料の収集は終了した。今年度で、新演劇に関する資料収集・調査の研究は終了したい。したがって次年度の科学研究費は申請しない。
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