研究課題/領域番号 |
20520352
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
氏平 明 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 教授 (10334012)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2010年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2009年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 音韻単位 / 発話の非流暢性 / 中間言語 / 吃音者 / 語の繰り返し / 吃音症状 / 吃音の診断 / 言語構造 / Multilingual Aspects of Fluency Disorders / 発話の方略 / 発話産出過程 / 知覚のモニター / 中国語(北京方言) / 中国語吃音 / 口吃協会 / 非流暢性サンプル / 発話の背景のサンプ / 音節 / 声調 / アクセント核と第4声 / 母語の発話の非流暢性 / 第2言語習得時の発話の非流暢性 / 非流暢性の分節 / 発話産出モデル / 収集サンプルの信頼性 / 記述の信頼性と複数のチェック |
研究概要 |
本研究の研究成果はつぎの三点である。一つは、音節という音韻単位の言語普遍的な役割を中間言語に確認したことである。これは日本語を第2言語として習得している過程で自然発話に現れる音節を分断する発話の非流暢性の統計的分析から、英語母語話者、朝鮮語母語話者、中国語母語話者が共通して初級レベルでは音節単位の分節の非流暢性を多発し、上級レベルでは母語の主となる音韻単位と日本語のモーラの分節の非流暢性が多発する発見に基づいている。二つめは、中国語(北方方言)母語と日本語(京阪方言)母語の吃音者に共通して発話における非流暢性に後続する超分節的特徴に囚われて発話の非流暢性を多発することの発見である。日本語母語話者の語頭モーラを繰り返すタイプの吃音では、非流暢性が生じているモーラではなく、ピッチアクセントのアクセント核が非流暢性に後続するモーラの位置にある語で非流暢性を有意に多発している。中国語母語話者も語頭音節の非流暢性にもかかわらず、それに後続する音節に特定の声調(第4声)がある語で非流暢性を有意に多発する。三つめは、University College LondonのPeter Howell教授と協力して、日本語と英語の吃音症状がその個別言語の構造の特性によって異なって現れ、それが吃音の診断に大きく影響することを、英語と日本語の非流暢性の実証的統計的研究を通して明らかにしたことである。これまでに蓄積した日英語母語の吃音者と非吃音者の発話の非流暢性における分節と音声の移行の研究成果に加えて、日英語の形態的、統語的構造が異なることを新たな追加依拠としてあげ、英語の非流暢性で数多く現れる語の繰り返しが、日本語の非流暢性では相対的に少ないことを明らかにし、語の繰り返しが吃音の診断基準から外れることを示唆した。この語の繰り返しが吃音症状なのかどうかは、これまでの吃音研究で議論されていた。
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