研究概要 |
本研究は,日本が2008年に締結した私法統一条約である「国際物品売買契約に関する国際連合条約」(CISG)について,第1に,その体系的・解釈論的構造に関する正確な把握の確立をめざした。契約責任の「体系」に関する構造の解明に重点をおいた他,CISGの基礎にある一般原則と目される「favor contractusの原則」の本質の解明も試みた。これらの作業においては,日本における債権法改正論議との比較検討も行った。第2に,CISGを基軸として生成しつつある《共通私法》の規範内容について,UNIDROIT国際商事契約原則2010を中心に検討し,《共通私法》の生成過程についてUNCITRALやICCにおける実態の基礎調査を行った。
|