研究概要 |
本研究の目的は,「企業事故発生のメカニズム」を,従来の先行研究の批判的検討と,日本企業を対象とする定性的調査にもとづき,理論的・実証的に解明することである.その際,従来の事故研究に関する知見を踏まえ,具体的な手続きのダイナミクス,すなわち「手続きの神話化」に注目して,事故発生のメカニズムの分析を試みた. まず,従来の先行研究の批判的検討に関しては,社会科学分野の代表的な企業事故の先行研究である(1)ヒューマンエラー研究,(2)集団思考研究,(3)リスクマネジメント研究,(4)高信頼性組織研究,(5)企業倫理研究,(6)技術的逸脱の標準化について整理・検討を行った.また,手続きの神話化に関しては,殺菌神話に焦点を当て,(1)神話の生成,(2)神話の維持,(3)神話の崩壊(事故),(3)'神話の解体というダイナミクスを想定し,各プロセスについて検討を行った.
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